バズマザーズ『普通中毒』-②「サンダーボルト」
このアルバムのリードトラック。
曲名は懐かしい響き。小学生の好きそうな単語だ。それも、00年代以前の。まだボンボンがあったころの小学生だなこりゃ。
Youtubeのコメント的にはこのひとつ前に公開されたサンダーボルト以上に
評価が高く「これで方向性が固まってきたな」といったような発言も寄せられていた。
だけど、当初俺はどちらかといえばこの流れに否定的だった。
確かに方向性は固まってきたが、歌謡ロックという枠組みにこのままでは収まって行ってしまう気がしたのだ。
それは俺がバズマザーズの曲の中でつくりとしては一番の天才だと思っている「せっかちな人のための簡易的な肯定」からの退化である。
また、「戸田が誤訳かましゃジゴワット」などというフレーズがあまりに遊びすぎじゃないかという気がしていた。
しかし、アルバムで聞くと、違った。
「時代をくれ」とスタンスは同じで、いいたいことは「俺の音楽は最高だ」ということ。
俺は稲妻を生むのさ
「サンダーボルト」
わがままである種滑稽に聴こえてしまう。
しかし、それさえも許容できるようになったのが、
山田が成熟したということであり、
バズマザーズがバンドとして強度を高めたということである。