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裸で独りぼっち

クソみたいな最近のはなし

バズマザーズ『普通中毒』-④「月と鼈」

月とすっぽんと読む。

 

いわずと知れた、一見似ていながら大きく差があるものを表す慣用句。

 

テーマは世間の誤解について。……だろうか。

 

お前がほしいのは汚い性行為

でもしてるのは潔癖な性行為

…(中略)

安心しな、峰打ちだって云ったハナから、

お前、返り血に濡れる

「月と鼈」

 お前はズレたものを欲し、見当違いな言葉を発する。

月と鼈の違いも判らない。

という解釈が引用部からはできる気がするが、

月とスッポンになんて、

大した違いはないね

「月と鼈」

 だともいう。

世間の誤解だけじゃなく、自分への不信もここには含まれているのだろうか。

正解は世間にはわからないし、自分にもわからない。

億通りの正義、誰も間違っちゃあ、いないね

「月と鼈」

 自分が月と思えば月だし、鼈と思えば鼈だ。

とはいえ、それは億通りの解釈の一つに過ぎないが。

こういうことだろうか?

いささか素直過ぎるだろうか?

わからないことがわかる、のではなく、わからないことがわからない。

そんな気分にさせられる曲だ。

ラスサビ後アウトロは1と1/8小節だけ。

この途切れ方も、わからないままにあきらめざるを得ない我々の思考の終をほのめかす。

だが、

似顔絵師になどなる位なら、

俺は贋作の技巧を捨てる

「月と鼈」

 というフレーズは「サンダーボルト」とテーマを同じくし、

ただただ力強い。

 

酩酊のようなサビのなかにこんなフレーズが出てくるということに、

バズマザーズの今考えていることがうっすらと見える気がする。