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裸で独りぼっち

愉快な毎日の記録

バスを乗り過ごすと自分の小ささを知ることができる話

昨日は夜行バスに乗り遅れてしまった。

 

仙台発大阪行き。19:45集合、20:00発。

 

日曜19時台後半といえば夕飯を食べ終わって後片付けをしながら

さんまのスーパーからくりTV」を見る時間と相場が決まっている。

 

実際はその時間、残念ながら「さんまのスーパーからくりTV」は2014年9月に惜しまれつつ終了してしまったため、新しく買ったマルチエフェクターBOSS-GT-1の慣れない操作感に悶えつつ秋田発激唱系ロックバンド鴉の楽曲「巣立ち」をコピーしていた。

結局全然コピーは進まずエフェクターをただただ似たようなクランチ系の音でパッチを埋めただけに終わってしまった。

俺はそろそろ家を出ることにして充電したスマートフォンに電源を入れる。

それは19:40のこと。

バスは21:00発だから早すぎかもしれんけど家をでるか――

 

そう思った一刹那後である。

時間を間違えていたことに気づいたのは。

 

とりあえず「うわうわうわうわうわ」とうわごとのように呟きながら部屋を30秒ほど周回して時間を無駄にした。

途端に、吐き気がして涙が出た。流れたというより、ポロッと零れた。

 

しょうがないので緊急ダイヤルに電話を掛けることにする。

スマホの集音性が悪いうえ、どこから音が出ているか理解していないので、通話時聞き取りづらく、いつもは次善の策としてイヤフォンをしているのだが、今回はその余裕もない。

直ちにダイヤルを行うと、おじさんのしゃがれた声で「ハイ○○交通です」という返事。

 

神よ!頼む。俺はすかさずこうすがった。

「あの、本日20:00からの夜行バスを予約していた○○なんですけども、すみません、今向かってるんですが、どうもえー、10分ほど遅れてしまいそうでして、すみません、」

床に頭をこすりつける勢いかつ息を若干荒くしていま焦ってる感を演出していた。みじめだなんて言ってられなかった。

 

しかし、神は無情である。

「あー、お客様、それはですね、どう考えても、乗れませんね。無理です。ダイヤ上、待つことは絶対にできませんからね」

 

くそったれ悪魔め!と思いながら俺は

「え、、、そうですか、え、えーどうしようかな、え、キャンセルとか無理ですよね」

 

すると悪魔のおじさんは「いや、行けますよ」といったのち、続けて

「ただ、当日キャンセル半額になっちゃいますけどいいですか?」

 

「うーーー、お、お願いし、ます。。。」

(この切羽詰まった声色からほかに選択肢ないのわかってるやろ。。いたぶりやがって。。覚えてろ。。。くそー)

 

この5分程度のやり取りに自分という人間の小ささが詰まっていた。

バスに乗れなかったとて、命まで取られはしない。

せいぜい1万数千円のGW料金が無駄になるだけだ。

にもかかわらず、涙を流してしまうとは……。

今まで漫画や小説における勝負の場面でおじけづく小心者キャラにいらついて

<さっさと命はらんかい>

<ちょっとアバラ折れたくらいなんやねん>

とイラついていたことを全力で謝りたい。

命は大切で、ケガは痛い。さらに、治療費は入院すると1万や2万ではきかない。

 

そりゃ、恐れるわけだなぁ…。

 

結局翌日飛行機をとってほぼ予定から数時間遅れで到着した。

手痛い出費だったが、日本人かつ健康というだけで相当幸せだ。

あー、生きててよかったよ。

あー、幸せ。

 

 

加藤淳の本―さんまのスーパーからくりTVプレゼンツ

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