バズマザーズライブ@新宿ロフト(5/19)
5/19は夜行バスに乗ってわざわざバズマザーズのライブに出向いた。
場所は新宿LOFT。
それもこれも、バズマザーズは仙台には来ないと思い込んでいたからだ。
結果として4月下旬に仙台Hookにツアーで訪れることが決定したため、
わざわざ有休をとって狭苦しい夜行バスに乗り込み東京を目指す必要もなかったのかなと後悔が押し寄せないでもなかったが、まあ好きなバンドのライブなのだから文句は言うまい。
結果としては「馬鹿なげえ」ライブだったというのが総じての感想だ。
実に3時間30分。総曲数40曲。
足が棒になり、腰が蛇腹になった。
文科系な観客たち
前回バズマザーズのライブを見に行った(実際には聴きに行ったが汎用表現は「見に行った」)のは実に1年半ほど前。『怒鳴りたい日本語』のリリース直後のツーマン。
YellowStudsとのやつだった。
そこから時がたってややギャップだったのが観客の意外なおとなしさだ。
前回はもっと押し合いへし合いしていた気がする。ダイブはなかったと思うけど。
俺はいわゆる「踊れる」バンドが大嫌いで、日本人なんだから踊れねーよ、聴き入りてーよ、と思うタイプの人間なので文科系のその空気が好ましいはずだったのだが、
なんだか少し物足りなくも感じてしまった。
自分がダイブしたり財布を落としたり人を蹴ったり水をまいたりはしたくないし眉をひそめてしまうのだが、実はそれも含めてライブの醍醐味だと自分が感じていたのかな、と思う。
俺は実ははた迷惑なライブキッズあるある外の人だったのか。。。
思ったより千原ジュニアじゃなかった
バズマザーズのフロントマン山田亮一の歌詞が絶品だというのはファンの誰もが首肯するところ。
歌詞がうまいというのはすなわち「物事を見る視点が独特」「言葉選びが秀逸」「人の共感を呼び覚ます人間観察力&表現力」があるということなので、必然的に笑いを取る技術にも通ずることになる。
「傑作のジョーク」という最新アルバムのリードトラックも笑いをテーマとしたMVだったが、山田はMCが面白い、と思う。
その白い肌やでかい顔に痩せた身体、そして繊細な感性×トーク力から俺は「この人千原ジュニアに似てんな~」と以前はすごく感じていたのだが、久々に見るとそこまで千原ジュニアでもなかった。
いや、もちろんMCは面白く、熱く、だったんやけど前は声すら似てるように感じていたけどそれは考えっられへん――である。
ただ、昔とがってたけどいろいろなことを経験して今は「客を湧かすためなら何でもやるで」というかわいげおじさんになっているスタンスは、以前より千原ジュニアっぽいなと思う。
はぁちみつ食ぁべたいなぁ~~~~
…ワハハ!
似てない「プーさんのものまね」を一生懸命するというべたなやり方で、場の空気をチルアウトさせる山田。
突っ込む重松。
ホモ・ソーシャルな関係をテーマにした「ユナ」の前に重松に髪をいじられる山田。
そこにあるのはあざといほどの可愛げだ。
ハヌマーン時代の山田なら自我が邪魔してできやしなかっただろう。
それは成長であってほしい、ともはや若すぎるほど若くはない俺は思う。
長い本番
このライブが、ロマンティックな男女の一夜の甘い情交だとしよう。
じゃあ今はどのタイミングだと思う?
…答えは、まだ出会ってすらいないのさ。
これが最初のMCで、俺は「こういうアメリカンジョークみたいなん好きやなー。俺も好きやけど」と思いつつ、あまり信じていなかったのだが、まさかのその言葉通りライブは3時間30分にも及んだ。
ロフトの借りる時間は大丈夫なんか?と心配になったほどである。
この後、
このライブが、ロマンティックな男女の一夜の甘い情交だとしよう。
じゃあ今はどのタイミングだと思う?
…今、まだラブホテルの部屋を選んでるところ。
というくだりも挿入され、俺は「ははーん」これで本番2曲くらいで「早漏ですやーん」(ギャフン)という落ちかと思ったのだが、本当に本番は本番で、10曲以上あった。
少し遅漏なくらいである。
ほかにも「マーボー豆腐のピリピリ感」などMCで楽しませてもらう部分は多々あった。
俺は正直ライブではMCを待ち望んでいる部分がある。
曲はライブアレンジこそあれ、今まで何度だって聞いてきたが、MCはその場限りの生ものだ。
「その場でしか味わえない感」がケチな俺には必要なのだ。
その意味では、Wアンコール1曲目の「君の瞳に恋してる」カバーは忘れられぬものとなった。
なんであの曲をやろうと思ったんだろう。