ヤングジャンプ感想2017年26号(レトルトパウチ移籍号)
レトルトパウチ
少子化を極めた近未来の日本。
その対策として政府は「恋愛」を至上主義とする襟糸学園を設立した。
学園の目的は男女が正常に付き合うことを教育し、家柄の良いもの同士で結婚させること。
そのため、校内はさながらフリーセックスの様相だ。
そんな学園で数少ないがゆえに処女四天王と称されるうちの1人明星幸流は学年唯一の童貞、幼馴染の清天我に想いを寄せ、彼女もまた操を守っていた。
処女・童貞を卒業させようとする先生や学園の奔放な気風に流されず、幸流は天我と結ばれることができるのか――。
ミラクルジャンプより移籍。
「かぐやさまは告らせたい」とかと同じパターン。
ペンネームにセンスがある。岩谷テンホーのライトな奴みたいな。
ヤングマガジンでいうと『ハレ婚。』の人みたいな、エロに比重を置いた恋愛漫画の作家。
ただ、こちらはかなりラブコメよりで、クズの本懐に比べてストレスフリーで読める箸休めにちょうどいいマンガだ。
そうなると、同じ微エロ箸休め枠の『源君物語』や『クノイチノイチ』は地位が危ういんじゃないかね。
タイトルがレトルトパウチ―加圧可熱殺菌が行われた無菌の食品加工―というタイトルの通り、童貞・処女の無菌性から指向性を広げていったタイプの作品だ。
エロ雑誌ではない作品で読者を楽しませるには、その作品で描きたいエロさが定まっていなければならない。そうでなければ消して勝てない。
そのため、これは非常にクレバーな戦略である。
というか、そのほうが俺は好き。
ロゴや絵柄の少女漫画っぽさもその無菌性を際立たせるための演出であろう。
さて、移籍第一話『あげない!』は転校生が来てトラブルメーカーのにおいを醸すというベタな展開である。
とはいえ、ここから恋の鞘当ても始まり、すわ、NTR展開(読者にとっての)があるかと思わせる部分もあって話的にはとても良かった。
ただ、ビッチキャラのめばえと幸流の顔があまりに似すぎている。
というかキャラの顔の書き分けが横槍先生はあんまりできていない気がする。
クズの本懐の主人公もなんか髪型変えたら見分けつかなそうだしな。
とはいえ、微エロ漫画にもってこいの設定、これがある時点である程度話の腕が見込める作者であれば面白い(エロい)話は量産できるはず。
今後も期待したい。
『かぐやさまは告られたい』
最近冒険が多い。
生徒会を解散してみたり、会長の見た目を変えてみて、それでかぐやを動揺させてみたり。
日常ギャグはキャラの好感度のパラメーター調整が非常に難しい。
その綱渡りを今のところギリギリで渡ってきている。
今回は会長が優等生キャラに脅かされて対抗心を抱き、嫌味を言うというシーンがある。
それを突き詰めるとなんだこいつ嫌なやつだなとなって読者の気持ちが離れてしまう。
かといって、動じなければ話が始まらない。
そこで作者がどうしたかというと
―話題をそらした。
バカキャラの藤原書記が後輩から持ち上げられるという展開に持っていくことで作中人物の意識も嫉妬からずらし、読者の意識もそこから動かしたわけだ。
その点、達者である。
落ちはちょっと安易だった気もするけど。
シンマンGP2017
ヒトリアソビとブルーフォビアということで、順当にどちらも面白かったところが上がってきたように感じる。
けど、微エロ枠はもう埋まってると思うけどな。
微エロ×感動はないからいいのか。
でもそんな話続けられるか??
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