裸で独りぼっち

マジの日記

【M-1グランプリ2017】順々決勝動画感想_準決勝進出コンビ(大阪)

 

hadahit0.hatenablog.com

この続き。

 

見取り図「デート」

あたおかでしたーっ!

今はやりの漫才はツッコミ主導だと馬鹿よあなたはの新道 竜巳がごみラジオで言っていた。なるほど確かにそうださすが最もお笑いマニアに近いM-1ファイナリストだと。

このフレーズを聞いて思った。

まあツッコミというかボケの領域に片足と両足のかかとくらいはツッコんでるんだけど、とにかくツッコミがボケの役割も担うほど話を運んでいる。

マキタスポーツが『一億総ツッコミ時代』という新書を出したのはいつのことだっけ。

 とにかくまだ、というか今もツッコミ優勢の時代(とき)は動いていないようです。

まあランジャタイとかボケ時代の到来を思わせる2012以降の超新星もいるとはいえ。

一億総ツッコミ時代 (星海社新書)

一億総ツッコミ時代 (星海社新書)

 

 大自然「鶴の恩返し」

ただのカレーじゃありません! 日本カレーです。

昔話を題材にした昔話みたいな漫才。たぬきの恩返しのネタとか、大自然はこういう昔話ネタを完全に独自の武器にしてるなあ。

3回戦から1分伸びたことで完全に自分たちのペースでネタができている。

先月給料6万ってホンマかいな。波24とかネタパレとか出てたのに?

セルライトスパ「レンタカー屋さん」

3回戦と同じ。くすぐりの部分が増えている。というこっちが原型か。

こちらも4分になったことで大須賀のキャラをより丁寧に表現できている。

同じネタで成功した例。

さや香「猿蟹合戦」

え? これクドカン宮藤官九郎)?

「極端な無知系」別パターン。

個人的にははじめおもんなくて中盤めっちゃ面白くて最後普通だった。

「歌のお兄さん」と同じく「幼児の支店の再発見」がいかんなく発揮される中盤。

あ、果物のカキの種と、おにぎりを!

ぜっったい、イヤー!!

だが、事件は3:13秒に起きる。「ハチ→栗→臼」が復讐の一味になるということを説明する一番面白い場面があんまりハネなかったのだ。特に個人的には臼が生きているという設定は割とスムーズに飲み込んだのが尺の都合を感じて釈然としなかった。

とはいえ、通ったんだから文句は言えまい。

ただ、決勝でたとして 改善点はそこだろう。

ミキ「恋愛相談」

ここもよく考えたらツッコミ主導の嚆矢だなあ。

あと、もう一つ新道竜巳が言っていたこと、オールド漫才の新解釈(枯れた技術の水平思考?笑)にも当てはまるところがある。

特に恋愛相談みたいな古典的な題材だとそれが如実に出ている。

「あなたは、内気な人間です」

「いつから心理テストが始まっていたんですか?」

 ここだけだったら香川登志緒が台本書いたと言われてもそれほどおかしくない。

若い子に人気芸能人のことよくわかってないっていうのも年配漫才師のやりそうなボケだし。

ポジティブ!

ただ、こういう単語ツッコミは確実にダウンタウン以降のもので、やはりこれは今の漫才師によるオールド漫才の再解釈なのであった。

天竺鼠自由形

3回戦と同じ。

まあ自由形なので同じも何もないが。

よく考えたらここは完全にボケ主導。

でもこうして同じネタを見ると瀬下の演技力のすごさがわかる。

何度もやるうちに演技の型も出来上がったんだろうが、それすらも感じさせない。

自然。

 

かまいたち「心理テスト」

3回戦と同じ。

後半にもう1展開加えてきた。

これが完成形か。かまいたち=ごまかしの笑いの方程式にピタリと当てはまる展開だったのでニヤリとした。

エコ木。

アインシュタイン「モテない理由」

 原点に戻ったかのような顔イジリの連発。

稲田の顔は吉本の宝っていうのは嘘でも誇張でもなんでもないなあ……。

このネタって決勝でやったら、「顔をいじるのは不快」とかってクレームつくだろうか。稲田が自分の武器を自分でイジってるんだからそんなことないと思いたいが、ちょっと悪い予感がする。

はける方向2人とも間違えたのが緊張を表してるなー。

ジャルジャル「変な校内放送」

ファミレス言ってピンポーンって店員さん呼んだらハンバーグ定食頼んだらパンorライスって聞かれてるやん!

 

「不良の立ち話」じゃなくて「私立男子校のセンスあるやつの立ち話」がジャルジャルの漫才スタイルの型として感じられる特に福徳のしゃべり方を聞いて思う。まあ校内放送っていってますし狙ったもんだとは思うけど。

「正直面白いよりすごいと思っちゃうタイプのネタでは……?」と思うが、どちらかと重い会場でも良くウケている。

生で見るとまた違った迫力があるのだろうか。

霜降り明星「遊園地」

振付1!!!! 

霜降り明星の実況ネタ。とにかく動きが多い。全部動きボケなんじゃないか。

※実際に数えてみたら遊園地に入ってからは「女の話にしては聴いてられる」の部分以外はそうだった。

この粗品の一言ツッコミもツッコミ主導だなあと思うと同時に、東京ホテイソンの歌舞伎ツッコミはこの亜種だなあと気づいた。

動きボケの弊害か、一個一個は結構大味なんだけど、勢いで審査員も点を入れさせられたんだろう。ほかにここまで動くやつはいなかろうという計算もあったのだろうか。

とろサーモン「旅館」

久保田の持っている「変な話の下手な気持ち悪い人」というキャラはどこから生まれたのだろうか。ヘルス店長時代の客だろうか。いつも謎の背景を感じさせられる。

ツッコミ主導という観点から考えると、村田はもう少しツッコミにツイストを加えても良いのではないかと思った。ちょっと前ならそれはボケを潰す行為だと非難されただろうが、今は全部盛りこそが正義の時代である、と思う。

最後にはける方向を間違えそうになって正しい方向にすぐ向き直り指さす久保田がなんか悪っぽくて妙にかっこよい。

スーパーマラドーナ「コンパ」

こいつ薬やってんのかまじでおい!

今回は数年前のスーパーマラドーナを感じさせる田中さんのクレイジーキャラを押し出したネタ。俺は演じ分けネタよりもこの方が好きである。

決勝は3回戦のネタとどっちを先にやるのだろうか。俺はこっちを先にやる方が良いと思う。それが昨年のM-1の自身のネタに対するカウンターになるし、決勝で3回戦のネタをやればそれがそのままこのネタに対するカウンターになるからだ。

でも、ほんとは一昨年のエレベーターを最後に持ってこれたらよりカウンターになって良いはずだが。

からし蓮根「頼れる上司」

バァイブ!!

 ここその日イチくらいウケてたな。

ツッコミ主導、ボケ主導という話でいうと、ここはその関係が完全にイーブンである。

それが美しい。これはいろいろな歪かつ面白い漫才を見た後だからこそ抱く感慨だろう。こんなに正統派のつくりで、こんなに面白いのはやっぱりおかしいくらいの才能だと思う。

決勝いくやろ。