R-1ぐらんぷり 2018 感想 ひいきも王道ということ
2018年3月6日、R-1ぐらんぷり2018が開催され、ほぼ盲目の漫談家「濱田祐太朗」が優勝した。
その結果に対してのネット(主にYahoo! ニュース←)で見たかぎりの顕著な反応は以下の通り。
〇大会全体について
→レベルが低い、つまらん:7割
今年はレベルが高かった:3割
〇濱田祐太朗の優勝について
→面白かった(決勝のレベルが低かったという条件付きで):8割
つまらん(逆差別で下駄はかされてるor吉本パワー):2割
〇ゆりやんレトリィバアについて
→つまらん、面白いと思ったことない:7割
よかった:3割
〇紺野ぶるまが画面が見えない濱田祐太朗に点数を教えるなどフォローを行った件について
→紺野ぶるまの好感度が上がった:9.9割
ゆりやんがフォローしてなかったので相対的に好感度が落ちた:2割
〇チョコレートプラネット長田について
→ゆりやんより面白かった:5割
→意味わからんけど面白かった:5割
意味わからんくてつまらんかった:5割
〇桂文枝について
→好感度狙いで濱田祐太朗にべたべたして気持ち悪い:4割
不倫のイメージがあり、そもそも見たくない:1割
私の意見
〇大会全体について
世の中の大半が思っているのと同じく、俺もM-1>キングオブコント>>>>>>>>>>>>>>>超えられない壁>R-1>>>THE Wと思っている。
そして、今回のR-1は、ここ最近より決してレベルが高くはなかった。
つまり、宮迫が発言した通り例年以上に今年のレベルが高いというのは嘘である。
アキラ100%が優勝した昨年、ハリウッドザコシショウが優勝した一昨年の方が明らかにレベルは高かっただろう。
最終決戦の石出奈々子(ジブリパロディコント)の完成度や、小島よしおのキャッチ―差を裸やキチ●イが超えていく痛快さは薄れてしまった。
とはいえ、コラムニストの能町みねこがTwitterでつぶやいていたように「邪道かつ王道こそ最強というようなR-1」の型の片りんは今年も残った。だから、単体の面白さはギリギリ赤点くらいだが、シリーズの間としては及第点くらいの出来だったのではないかなと思う。
R-1ってなんかこう優勝してもどうにもこうにも…というイメージがあったけど、ここ3年の、ザコシショウ→アキラ100%→濱田祐太郎の流れって、やっとR-1らしきなんらかの特別性が生まれつつあるんじゃないかなと思いました。超王道かつ超邪道、みたいな
— 春待ち能町みね子 (@nmcmnc) 2018年3月6日
〇濱田祐太朗の優勝について
正直下駄をはかせられていた面はあると思う。
本人も申告していたように噛んでいたし、話の内容は想像の範疇に収まる程度の視覚障碍者に対する無神経な言葉あるあるであった。
現代の最新の漫談スタイルがR-1でもお笑いファンの注目を集めていた街裏ぴんくだとしたら、あくまでも日常の範囲を脱し切れていない濱田のネタは化石のようだ。
しかし、下駄も武器なのである。
濱田のスタイルとして盲目が唯一にして最強の武器であり、それはほかの者にはほぼ持ちえないという点で、破壊力抜群だったのだ。
オーソドックスな漫談欲が高まっているが、成熟し切ったお笑いの評価ステージに普通はそれは上がりえない。そこに、人自体が強烈な個性を持っている濱田が切り込んだ。
まさに王道かつ邪道。
だから、何が言いたいかというと、優勝は妥当だった。下駄も含めて才能だった。
〇ゆりやんレトリィバアについて
ゆりやんは友近に次ぐ天才。お笑いファンはこういわれたらよっぽどのアンチでも首を縦に振るのではないだろうか。
さて、ゆりやんは2本目を捨てていたのか?
2本目のネタ(やめてくださいというブリッジであるある・シュール・毒がまぜこぜになった一言ネタを言い、急に踊る)はめちゃめちゃ評判が悪い。
しかし、こうして書き起こすと手数のバリエーションが多いネタである。1個1個のパンチは弱いが、それぞれ内容が違う。
あるある
→冬になったら夜早くなったなあっていうのやめてください
シュール
→おしっこをもらさないでください
毒
→私のこと「かわいい」って上から言うやつ、私よりブスやのにいうのやめてください
昭和の女優という完成度の高いあるあるの破壊力の天丼でとにかく笑いをもぎ取り、世間の評価も2本目よりは上々な1本目とは好対照である。
これはつまり、お笑い偏差値が高すぎていろんな笑いの浅いパッチワークがなまじできるもんだから、そのお笑い脳の程よい刺激にはまってしまったんだろうなあと思う。
いろんなお笑いができる自分の技術におぼれたのだ。
その沼は、溺れるのが気持ちよくもあるし、ゆりやんは昨年女芸人No.1決定戦『THE W』で優勝しているからここでの優勝は無理に狙いに行く必要はないし。
慢心ともいえるが、それでもゆりやんのお笑い生活にはあまり支障をきたす負けではないと思う。
〇紺野ぶるまが画面が見えない濱田祐太朗に点数を教えるなどフォローを行った件について
確かに偉いっちゃあ偉いけど誰でもやることでは?
ぶるまがええ奴というより気遣いをする能力があったということだと思う。
ぶるまは昨年のR-1に出場する少し前からゴッドタンなどに出演していたし、abemaのスピードワゴンの『The Night』ではアシスタント業務もしていたし、単純にアシスタント能力が高いのだ。
そういう点を評価するのが粋で会って、あの程度の行動から好感度をめちゃめちゃ高めるような反応はどうかと思う。そんな奴はどうせ島田紳助の話芸は無視して、その後の評価でアンチになっているようなやつである。
〇チョコレートプラネット長田について
確かに面白かった。でもゆりやんの1本目も良かった。だから別に結果に異論はない。
ゆりやんの2本目に近いリミックスネタ。
ただ、ゆりやんが技術でやっているのに対し、こちらはせいやがポテンシャルのみでできるネタを詰め込んだという感じである。
特に落ち前の「フック青山の~」はわけわからんかったが、狭い小屋では信じられないほど受けてるのが目に浮かぶ。
それは大舞台では通用しないことをせいやもしっているはずだが、それでもそれ以外撮る手段はなかったのだ。
〇桂文枝について
確かにささやきはちょっと気持ち悪かったけど単に喧騒の中で声が伝わりずらいと思い、耳元で「トロフィ渡すで」とでも言ったのではないか。
だとしたらそれほど批判される謂れもないだろう。
別に彼の不倫に特段の興味はない。
ここのネタについてはまたみていきたい。