『モンスター上司』 モンスターVSモンスター 70点
※ネタバレがあります
Amazon primeにて視聴。
当然ながら、上司にムカつくことがあったからだ。
「ちくしょう! こっちの気も知らずにのんきなこと言いやがって!」
俺の指は見る予定だった『パンズ・ラビリンス』を拒否し、ジェイソン・ベイトマンが頭を抱えるジャケットをプッシュした。
70点
ストーリー
昇進を目の前に控えたニック、恋人と婚約したばかりのデール、経理として会社の屋台骨を支えるカート。3人は、それぞれHorrible Boss――ひどい上司――に頭を悩ませていた。
ニックの上司、ハーケンはパワハラ上司。出世を餌に、残業を押し付け、2分の遅刻をネチネチ咎めたてる。
デールの上司、ジュリアはセクハラ歯科医。権力をたてにデールを誘惑し、あまつさえレイプまで……。
カートの上司、ペリットはバカハラ息子。会社でクスリをやり、女を連れて遊びまわる。
3人は不満を抱えつつも耐えていたが、それぞれ致命的な出来事により限界を迎え、上司の殺害を計画する……。
所感―銀幕のモンスターども
こういう映画にそれほど期待をかける人はいないと思う。
まあ、70点くらいだろうな。
逆に面白すぎても困る。スカッとサクッと笑わせてくれよ。
その要望に、この映画はほぼ完ぺきに答えていた。
ほぼだが。
また、上司役の豪華俳優陣の怪演には口コミサイトでも多くの勝算が寄せられていた。
とくにパワハラ上司役のケヴィン・スペイシーは、ねえ。
メイキングでは人の好さそうな感じでおどけてたけど、マジモンやないか……。
ペリット役のコリン・ファレルも麻薬経験者だったし、ビデオ流出事件とかあったし。
上司で現実にモンスター感ないのは、ジェニファー・アニストンだけ?
良かったところ①くだらないところ
良かったところはココに集約される。なんとなーく良いテンポで見れる。
逆も前編適度にまぶされていて、爆笑はなくとも飽きるところがない。
特に好きだったのは殺し屋を雇ったと思ったら、特殊性癖ゲイのエスコート・サービスだったところ。
「トイレあるか? せっかく溜めてきたのに……」
のくだりはくすりとした。
良かったところ②セクハラ女上司という設定
こういう映画にはエロが不可分のものである。
例えば土曜の深夜にはエロ番組が不可欠なように。
『夜美女』とか『ギルガメッシュNight』とかね。今だと『佳代子の部屋』か。
ジェニファー・アニストン演じるセックス中毒のセクハラ上司というのは気の利いたエロを随所にまぶせる設定でよかった。
女性によるセクハラというのは、存外現代的なテーマではないか。
セクハラは男だけのものではないのだ。
ほかの仲間がうらやましがっているのにデールは殺害を考えるほど嫌がっているというのも現実にセクハラを受けている男性もこうなのかなあ……としみじみ思ってしまった。
どやねんなところ①主人公チームもたいがいモンスター
主人公チームの3人。一応ニックはそこそこマトモだが、残りの2人はそうとはいいがたい。
デールは割かし善良なものの、侵入先でクスリを事故的にやってからはハイになって運転を妨害したり車をけりまくったりするし。カールは完全に上司になったらセクハラをするタマだ。エロキャラとはいえ、そこらじゅうで女に手を出し、女に会うためにサインをわざと忘れるような人間が主人公=正義側でいいのか?
平気で住居侵入はするし、物は盗むし。
主人公チームに正義がないので復讐が成っても爽快感がない。
『モンスター上司』タイトル通りのコメディ。なんだけど、主人公組(部下)も同型のモンスターだからなんかどっちもどっちやんけ感はすごい。そのせいで爽快感が薄い。小品・佳作としては楽しめた。https://t.co/EfFrNotD14
— 遠縁の親戚 (@miya080800) 2018年3月12日
そういう風刺? とも思ったがやはりそういうわけではなく、ギャグを詰め込み、突飛な物語を推進するには主人公チームも相応の馬鹿でなければなかったのだろう。
でもそれって脚本が安易な方向に逃げたってことだよなあ。
まとめ――まあ、あり
月曜の夜に動画ストリーミングでみるのにぴったりの作品でした。
まあ、憂さは晴れたし。
ちなみに吹き替えで見たんですが、この作品はむしろ吹替がいいと思います。
特にデールを演じた高木渉(コナンの元太の人)はあってたなー。