裸で独りぼっち

愉快な毎日の記録

『デッドプール2』93点 エンドロールで評価爆上げ

※ネタバレがあります

1をみたので2も見に行った。

hadahit0.hatenablog.com

1の俺の感想は、どちらかといえばネガティブで、前提説明が長くデッドプールに期待されるトリッキーかつメタな魅力が十分に発揮されているとはいいがたいというもの。そのため「2の方が面白い映画になるんじゃないか」という見通しを立てていた。

 

果たして、その予想は正しかった。

 

野球は2アウトから、デッドプールは2本目からや。

ストーリー

前作で復讐を果たしたデッドプールは暗殺稼業にいそしんでいた。ひと仕事を終えて帰宅したところにヴァネッサからの贈り物<子づくりOKのサイン>が。

早速映画を見て気持ちを高めようとしたところに、敵マフィアの残党が登場。ヴァネッサが撃たれて命を落としてしまう。

デッドプールは自殺を図るが、不死の能力のせいで死ぬことはできない。

コロッサスにX-MENに勧誘されたデップー。X-MEN見習いとして、さっそくミュータント(超能力者)の少年が警察とにらみ合う現場に招聘される。

ファイアーフィスト(炎の拳)の能力を持つ少年ラッセルを捕捉したデッドプールは、彼がキンダーガーデンの所長らに虐待されていることに気づき、そのうち1人を瞬殺。少年とともに、ミュータントの刑務所に拘束されてしまう。

 所感―遊びの多さとエンドロール

遊びの多さとエンドロール。

この2つによってデッドプール2は前作を完全に凌駕しても良いと言っても過言ではない。

遊びの多さを生み出したのは以下のような要因だろう。

 

①予算の潤沢さ―6,000万ドル→1億1,000万ドルに

まったくのノーマークから8億ドル以上の大ヒットを記録した前作『デッドプール』。

その成功を受けて、本作では倍ほどの予算が投下されている。

期待されていなかった1のヒットを受けて、作られた2作目はどちらかと言えば駄作になるジンクスがあるだろう。

しかし、デッドプールはそうはならなかった。その理由としては以下の2つが挙げられる。

・その理由壱→前作も別にインディペンデント系の映画ではなく、単純娯楽作のため、バジェットが大きくなっても基本的な方向性を全く曲げる必要がない

・その理由弐→予算をきちんと使うべきところ(アクション)に使っている。その分、声優を兼任するなどして削るべきところは削る判断が良かった。

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②前作で設定説明が済んでいた

デッドプールという複雑な背景を持つアンチ・ヒーローについて語るべきことが多すぎるがゆえに、ややストーリーが単純すぎるものになってしまったというのは、前作の感想で指摘した通りだ。

だから、2に期待できると思っていたのである。

予告編で「スーパーヒーローチームを結成する」という話を知ったときには(新ヒーローの説明で説明の割合が増えてしまうのでは…)と懸念したのだが、スーパーヒーローはただのふりでしかなかったため、それは杞憂に終わった。

2でスーパーヒーローチームを結成するというと、ハイテンションギャグアメコミかつ期待されていなかった前作の大ヒットを受けての2作目と言う意味でやはり『キック・アス ジャスティスフォーエバー』が思い返されるが、チームをそのまま悪趣味ギャグに使うという意味でのギャグ成分はデッドプールに軍配が上がるだろう(もちろんジャスティスフォーエバーにはより物語に関わる役割があったわけだけど)。

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閑話休題

遊びの多さが2の魅力を押し上げていたとはいえ、エンドロールが始まった時点での俺の心の点数は87点どまりであった。

明らかに1よりは俺にとって面白いものの、ようするに「出ていってまた帰って来る系の話」である。冒頭で最愛のヴァネッサを失ったデッドプールは「家族が待ってる」と言われて、現世に戻ってくる。

いやいや! ヴァネッサはその家族全員を質に入れてもよいくらいデッドプールにとってワンオブオールではなかったの?

家族がいると言われて素直に変えるのはデップーのキャラクターにそぐうとは思えなかったし、そこまでコロッサスやケーブル、ラッセルらとつながりが持てているようには見えなかった。

 

あ~…この着地か。。エンドロール後はユキオとネガソニックとの絡みなわけね。3でユキオもっと出てくんのかな。お、お!ああ~~~満点! これはベスト!

 

エンドロール後の心理はこのようなものであった。その詳細についてはネタバレ有とはいえこの結末の楽しみを奪うリスクを一変たりとも背負いたくないので書かない。

 

ただ、一番のひっくり返しギャグかつ一番の解決にもなっていてまさに最善手だし、それをエンドロール後に持ってくるのもズルいとだけ言いたい。

”上質な作品”という汚名

 一点不満があるとすれば、この作品が一見下品な作品でありながら、その実きっちりポリコレにも配慮した”上質な作品”のように称揚される声が上がっていることだ。

 

完全に間違ってはいないんだけど、「それを言っちゃあ詰まらねえよ」と思う。

 

ママにもらったキャンディを後生大事になめている不良なんているかね!? この作品がイイコチャン的な誉められ方をするのは逆にネガティブキャンペーンだろう。

 

それに、完全に合っているわけでもない。

例えば「X-MENじゃねえ、Xフォースだ」のくだりとか、もともとデッドプールがXフォースの一員だという文脈から出てきたものであって、「MENは差別だよな?」というのはいわばこじつけギャグである。

 

すなわち差別に敏感になりすぎる昨今のハリウッドの状況を揶揄しているという意味合いの方が大きくはないか。

 

ブラインド・アルやネガソニック・ユキオカップルといった多様性を包括したファミリーという構図も確かにあるが、同時に盲目のアルが銃を明後日の方向に向けてしまうというギャグもあるわけで。

 

清濁併せ持つこの作品に、”上質な”というのは逆に失礼に思うのだった。

 

ユキオは別に可愛くない

もう一つ、この映画を見た感想の中で「ユキオが可愛い」というものが目立つ。

 

ネガソニックの彼女で、忽那汐里が演じていて、紙が紫のメッシュで、くの一のような外見で、電気系の能力を持つユキオ。

俺はああいう原宿系のカワイイ文化出身のキャラがもてはやされる現場にどこか居心地の悪さを感じてしまう。

 

その可愛さは女として可愛い(cute)というより、キティちゃんが可愛いとか爬虫類が可愛いとかそういう可愛いと同じで、ようするにグッドデザインみたいな意味合いが強いように思う。

 

その点が人々の中できっちり切り分けられずに言葉が使われている感じが気持ち悪いんだよな~。

 

俺の可愛いセンサーが発達してないからだ、と言われたらその通りです、はい。

 

 

デッドプール2 オリジナル・サウンドトラック

デッドプール2 オリジナル・サウンドトラック