『カリギュラ #2 人間火の鳥コンテスト』感想
加藤浩次がたたかれている。
地上波でできない笑い…!
そのフレーズはAmazonバラエティ界のキーワード化のように連呼されている。
ドキュメンタルではどんどん画面の肌色比率が高まり、
有吉は坊主を賭けて体当たりの企画に挑む。
千原ジュニアの○○~と特攻フルスインガーではそのキーワードは若干なりを潜めてはいるが、それでも冷凍した大便をぶら下げるとか、特攻というワードの選び方とか、うちは地上波とは違うんやで感をビンビンに出している。
※と思ったらそもそも特攻フルスインガーの説明に「地上波では出来ない実験的企画の数々にフルスイングで挑む!」とあった。
みんな風雲たけし城がやりたくて仕方がない。
あのころのバラエティにあこがれてTV嗅いで下積みを重ねてきた制作人がネットの中でウンウンうなっている。
で、このカリギュラである。
「禁止されるほどやりたくなる」という現象をタイトルとして掲げていることが示す通り、この番組がAmazonバラエティ中でも特に「地上波ではできないことをネットでやる」という意気込みが大きい。
・野生動物を狩る
・素人(芸人の親)にオレオレ詐欺ドッキリを仕掛ける
・タトゥだらけのゴマキの弟を出演させる
・炎上だらけのドッキリを自分に仕掛ける
上記のような項目に連なる企画として今回の「人間火の鳥コンテスト」も含まれるのだろう。
今回の企画の主眼は
どれだけ危険っぽくかつ美しい地上波では撮れない画が撮れるかにあった。
そのため、自転車にまたがったドランクドラゴン鈴木拓が炎上しながら一回転して水に飛び込むシーンがハイライトとなる。
ところが、その演技にはそれほどの点がつかない。
実質危険度メーターかと思われた「不死鳥度」(山下真司、プリンセス天功、登坂淳一が判定する)は、もう少し複雑な要素を含んだ判定だったと我々はそこで理解する。
それが、「ただただ地上波でやれへんことやったらええんや」というヤクザ根性だけでこの番組が作られているわけでないことがわかるストロングポイントだと思った。
俺は、『KAKERUTV』(冒頭の炎上した番組)否定派ではない。
むしろ、せめてネットは無法地帯の幻想を保っていてくれと切に願う人間だ。
ただ、そのことしか狙ってないのはさすがにダサいとも思う。
そのため、番組コンセプトからして一番その陥穽にはまり込む可能性の高いカリギュラが「そうでない!」と反論の声を上げたことに、一抹の安心を覚えたのであった。