裸で独りぼっち

マジの日記

津原泰水 『11 eleven (河出文庫) 』感想 ちょっとむずかった

読書メーター感想

幻冬舎との騒動を機に購入。3ヶ月かけて読み下す。 俺には少し難しかった。 レベルの高いことをしてるのはわかるんだけど、あんまり読み進めるフックがないというか…。 その中でも『五色の舟』と『土の枕』は比較的楽しめた。

 こちらのとおり難しかったので誰かに解説してほしいくらいだ。

最後の方に著者解説が一応少しだけあるのだが、作品の内容ではなく制作時の気持ちや背景、反響に対する心境などなので作品を理解する糧にはならない。

 

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言及している『五色の舟』と『土の枕』は比較的ストーリーに重きが置かれていたので理解しやすかった。

前者は此岸と彼岸の垣根の薄さ、寄る辺なさ、イマココにいる自分たちが本当に存在しているの?邯鄲の夢でないの? という哲学的な問いについての話なのだろうし、後者は戦争中の『王子と乞食』がそのまま続いたときの王子の心境についての一考察として、戦争文学として面白い。

とはいえ、もっとスナック的な面白さがあれば俺はそっちに飛びつくと思う。

これはカムカムメニュー的な面白さです。

 

ほかにも学友と肝試しにいって乱交に巻き込まれそうになって幽霊にであう『手』などは超悲劇的な結末ながら文体も割と軽いし読みやすかった。同じ名前の犬を飼い続ける女の話、『クラーケン』もわかりやすい。

 

『延長コード』『キリノ』などはガロ系というか、文章で言うガロ系はなんなんだろう?むしろ文学に近い漫画がガロ系なわけでもっとばっちりな呼称があってしかるべきだと思うんだけど、なにいうてんねん感が強かった。

 

 

11 eleven (河出文庫)