AmazonPrime『ボーイズ』1話・2話感想
ヒーロー組織モノ映画は普及したし、日本の漫画でも抜群にヒットしている。
アベンジャーズ的な組織が大活躍で大わらわというのは“派手おもろさ”の頂点であり、大衆に受け入れられるエンターティメントの現状の完成形の一つだろう。
腐敗したヒーロー組織ヴォーカーとそれに恨みを持つボーイズの荒そうを描く本作は、そういったヒーローもののアンチである。
それはテーマ的にでもある。ただ、俺が気になったのは演出や画作りについて。
どっちかといえばマフィア映画好き向けの作りだよなあ。
重病者や組織描写へのこだわりはないけど。
1話感想
主人公はしがない電気屋の店員。恋人をヒーロー軍団のヒトリ神速のAトレインに轢き殺され、復讐を誓う。トップヒーローの1人セブンに選ばれたスターライトは、ヒーローランク2位の海の戦士に#metoo被害を受ける。
物語の導入は、ヒーローによる救出シーンだ。ここがまず結構地味。
ワンダーウーマンめいた女ヒーローがトラックを止め、スーパーマンめいたヒーローランク1位が悪人を倒す。
予算の都合があるとはいえ、もっと派手派手しい空中戦なども描けたであろう。
そこをあえてしょぼくしたのは、等身大でしょぼくれたヒーローとの対決だという宣言だし、その後のボーイズが勝てる範囲でヒーローの強さを調整するという宣言でもある。
ほんとにスーパーマンくらい強かったらかないようがないからな。
2話感想
1話ラストで透明人間ヒーローを捕獲した主人公と師匠的なやつ。鋼鉄の皮膚を持つヒーローをいかに殺すのか画策する。スターライトはデートレイプの現場を目撃し、止めようとしたところを監視カメラで撮影され、上司に怒られる。
アベンジャーズ軍団はトップも含めて全員悪人だということをもうばらしてしまうのか…と思った。そこは清濁不明なままにしておいた方が後半でバラしが効いてきたのでは?と思うが、スーパーマンとその上司の考え方の食い違いや愛憎などもあるようなので、作り手の意識はたぶんもうちょっと先をいってるんだね。
ウォッチメンしかり、ヒーローが善人かどうかが議論される段階はさすがに陳腐化されていると踏んで、「普通」に腐敗したヒーロー組織と人間関係、武器ロビイングなどを描こうという腹積もりなのだ。
だから見る側も「普通に」楽しもうという意識が重要なのだなあと思う。
スーパーマン的なやつはどの程度透視能力があるのかわかりにくいなあ。