20200731_渋谷直角の漫画のいいとこわるいとこ
一応仕事がひと段落して、次の準備をしつつ、月末。
しかし、どうも仕事を持っているような持っていないような微妙な気持ち。
仕事の定義をしっかり決めてこちらでハンドルを握らないとフリーランスなんぞ不安定な正社員の下位互換でしかない。
しかし、生活の保障に安住して、その点億劫になってしまっている。
とにかく利己的であるべき、自分一番、家庭が二番、3、4がなくて仕事先くらいの認識がベストのはずだ、と思っている。
締め切りを守るのも自分のためだし破るのも(破ったことはないが)自分のためです。
というスタンスでいきたい。
嫁はんがkindleを貸してくれたので渋谷直角の漫画『カフェでよく流れてるJpopのボサノヴァカバーを歌ってる女の一生』と『奥田民生になりたいボーイと出会う女すべて来るさせるガール』。
嫁はんに「普通の人でいいのに」をすすめたお返しだ。
結論からいうと『ボサノヴァ~』は露悪的過ぎ、『奥田民生~』は傑作だと思った。
とはいえ、女の描き方に通底する不満はあるのだが。
とにかく渋谷直角のユニークなポイントは地震でも言及しているけどサブカル間のマッシュアップ感覚だと思う。
いつも見ているあのつまらないNAVERまとめやTwitterのタイムライン、興味のないおしゃれ雑誌の記事をあの雑な線で、ストーリー込みで描かれていると一言一句逃さずに読んでしまう。
Aという人物の行動やその心情をTwitterやまとめ記事を通して知る、というのは俺たちが普段からもしかしたら最も長い時間を使って耽溺している娯楽なわけで、その感覚を漫画とマッシュアップしたのがとても面白いと思う。
ただ、その視点のマジックは主人公=読者の視点が固定されているときだけにしか十分に発揮されていない気がする。だから、主人公以外の登場人物が、一見リアルなのだがその先がやや平板に感じた。
出会う男すべて狂わせるガールの独白もピンとこなかった。
群像劇を書いてほしい。
そこに至ったらもっと完成度の高い、世に残る漫画となるはずだ。