20200812_サイコ
胸が痛い一日だった。
ときどきこういうことはあったのだが、今日は特に痛くてしんどい。
狭心症じゃないのか……と不安になってきたので病院に足を運ぶ。
結果としては、全然違うかった。
心電図もレントゲンも問題なし。
しっかりとした分厚い体である。
でも、なんだか胸の間がピンポイントでいたいのだ。
肋間神経痛の可能性を示され、痛み止めももらわずに帰る。
それでも違和感は消えない。
そうだ、ラーメンを食べよう。
その足でときどきいく半分居酒屋半分ラーメン屋の店へ向かった。
うまいうまいと食いほした。
しかし、食道と胃袋に違和感が。
ドトールに入ってほどなくして、トイレで結構吐いてしまった。
最近脂っこいものを食うとこうだ。
胸の痛みも逆流性食道炎のせいなのかもしれない。
身体に軋みが来ている。
こちらの方を病院で見てもらうべきだったなと思いながらサイコを視聴した。
思ったより変な構成の話だった。
前半でマリオンの4万ドル泥棒を描き、警察官に見つかるまでのハラハラを見せたところで、「なるほどあの警官がなんかサイコなやつなのかな…」と思ったら二度と出てはこない。
代わりにの後止まったモーテルの主人がサイコ。
しかみ、結構ボリュームを持って描かれるのが殺した後の後始末。
そのあとの癪が足りなかったのか、殺すときの描写がやや雑になってくる。
あんな岩で頭ゴチンしたくらいで男が倒れるかね。
そして倒れた男を放置して女を探しにやってくるかね。
特殊メイクや人工皮膚はサスペンスの演出にものすごく貢献してきたんだなあと気づかされた。しかし、見た目は全く同じなのに「老女の声」だけが聞こえてくるという気味の悪さはいまだにユニークだった。
ほかにも「声」の演出にほかの映画との大きな違いを感じる。
麻里門が車を運転しているときのボイスオーバーでほかの場所の状況を描くとか、よくよく考えると超能力で声をキャッチしてるみたいでちょっと変なのだが、状況説明としてはかなりすっきりするし、話の流れも最短で伝わるので全然意味は伝わる。
これがスタンダードですよと何食わぬ顔をすれば、全然今のインディー映画で使ってもいいのではないか。犯人の心理分析、そして落ちの「あの人、虫も殺せない」でベイツ親子の顔が重ねられるところも切れ味抜群、ラストカットが沈められた車を引き揚げる画というのも今では考えられず、面白かった。
車を沈めるシーンを気に入っているのか、ヒッチコックは。
一回目もやたら執拗に描いていたし。
しかしそのおかげで2回目は川のほとりに立っているというだけで「起こったこと」が伝わるという名ストーリーテリングでもあった。
奈良に西湖という中華料理屋がある。
西湖とサイコではおおちがいですな。はっはっは。
これが遺言になったらイヤだなあ。