20200926_キングオブコント2020感想
最近休日はどんどん贅沢に過ごすことにしている。
ライター仕事である程度収入があるうちはいいのだ、それで。
もし収入がなくなってきたら……そのときは本腰入れて収入を得ようと頑張りだすか、爪に火をともしてギリギリライフを謳歌するか未来の俺が決めてくれるはずである。
俺はずっと後者の方が賢明で理性的な気がしていたが、今は全社を選ぶかもしれない。
かつての俺は現金のみを試算だと思い込んでいたがやっとその盲がとかれたからな。
嫁はんと先週と同じくニトリへ。
アイロン台を買うのだ。
その前に初めて「盛岡食堂」に行ってみた。
とにかく量が多くて安くて学生さんにぴったりみたいな名物食堂。
最近脂っぽいものを食べると百発百中で吐いてしまう俺はどうなることかと心配していたが、嫁はんがなかなかの消化力を発揮したこともあり、普通に餃子定食と山盛りの唐揚げをシェアして食べることができた。
唐揚げの味自体はもちろんうまいたぐいだとは感じつつ、俺の好みではなかった。
ショウガが少しきつく感じたのだ。
とはいえ、初盛岡食堂で盛岡に後足を残せたことをうれしく感じる。
その後、嫁はんは化粧品を買うためにカワトクデパートへ。
俺はロフトと同フロアの倒産堂書店で平山夢明の『デブを捨てに』を買う。
急に、平山夢明が読みたくなってしまったのだ。
『独白するユニバーサル横メルカトル』も読み返したいが、なかったので、こちらにする。
まだ読んではいない。
しかも、佐藤多佳子の『明るい夜に出かけて』も買ってしまった。
とりあえずそちらを読むために、デパート一階の<高級な>カフェーへ腰を落ち着ける。
俺はバナナジュース、嫁はんはキウイジュースを注文した。
夜は『キングオブコント2020』を観戦した。
1.滝音…漫才ぽかった。「そんなベロの偏差値2くらいのやつおるかあ!」には笑ってし合った。ワードセンス抜群だが、あんな狂った店員がいたらほかのテレビマンとかが注意するだろという点が気になってしまった。なんでだれも止めへんねん!とか世界観まとめておかしいことを示してくれる人ことがあればなあ。
2.GAG…変なコントだった。ここまでのある種わかりやすいコントから準決勝でめちゃくちゃ受けそうな芸人受けに変えてくるという点で、ある意味優勝のジャルジャルとは逆のアプローチだったかもしれない。しかし、そのアプローチではやはりいかんのだ。めちゃくちゃへんで最初は期待したんやけどねえ。
3.ロングコートダディ…面白かった。だいぶ好き。しかし点が伸びないのもわかる。ウサギの調子が良かった。堂前の「点数並んだら面白いですねえ」的なニュアンス面白コメントを浜ちゃんが処理できないときにうまく突込みに回れたのも立派だったと思う。
4.空気階段…発想はすごい。ラジオの電波を霊媒師が受信したら…という設定で転がすのはほんとに星雲賞にノミネートされてもおかしくない奇想だ。しかし、あのもぐらの瀬川瑛子喋りってそんな面白いかね?俺は逆に邪魔に感じてしまった。あんな人ラジオ好きそうでもないし。もっとラジオ好きそうなおじさん霊媒師で良かったのではないか。その方が分かりやすかったのではないか。決勝進出
5.ジャルジャル…競艇場の歌手。まっちゃんが「取りに来たねー」という通り、フレーズと天丼で大衆性をついてきている。しかし、そのことはまっちゃんのコメント後にようやく気付いたな。設定としては競艇場の裏でや時の練習するなんてとてもポップではない。今回ヤクザとかそういう設定が出せたのはリモート審査ということがあったのだろうか。決勝進出。
6.ザ・ギース…ハープがうますぎる。うますぎてちょっとおもしろくなくなっていたかもしれないくらいに。やっぱり武器としてハープってニッチというか、そこまで広がらないんだよなあ。しかもある程度楽器としてちゃんとしてしまっているのでばかばかしさは減じてしまうというか、面白ハープ奏者ならあれくらい普通にあるかもと感じられてしまうというか。音楽で食っていく、何の職業で?という大喜利の答えとして「ハープ」はやっぱり弱い(もしくは破壊力のある大喜利回答に対するカウンター)でしかなくて、「脇ならし」とか「タイピング音」とかの方がやっぱり大喜利としてはインパクトがある。落ちの『ラブストーリーは突然に』の紙きりもちょっとこすられ過ぎなところ(しかも若い人分からん)だった気がするなあ。
7.うるとらブギーズ…思い返すとかなりいい設定だし、面白いのだけどいかんせん見てるときはほたえてるように見えてしもたなあ。やっぱそもそもあれだけツボを焼いて割りまくってるというのがボケ過ぎる。それがバラしかと思ったもんなあ。「なんでこんなつぼやいてんすか!」。これも滝音と同じように設定の無理が気になってしまうというか、そんな「良い」ツボばっかりできるならまた焼けばいいやろとか、こいつのツボそもそもそんないいんか?なんぼのもんじゃいとか気になってしまう。
8.ニッポンの社長…お笑いクラスタ大絶賛のこのコントだが、俺は全然はまらなかった。三村おじさんと同意見です。結局世界観とか雰囲気で見せてくるネタは全然金銭に引っかからない。でも、「パンや!」のネタは面白いし、あらびき団の暴漢に襲われるのにタオル巻きまくるおばさんケツのネタも好きなんだけど。
やっぱりケンタウルスはミノタウルスと運命の相手やろっていう世界観の提示が雑に感じてしまうんよなあ。いや、全然種族ちがうし、いろいろあるやん、と。HYが普通に存在する世界千何もわからんし、曲の歌詞自体には全然面白がないわけで、そのまま歌うだけなのはもったいなく感じられてしまう。わからんなあ。
9.ニューヨーク…ニューヨークにはめちゃくちゃ面白いと思ってるけど優勝してほしくないというめんどくさいファン心理がある。M-1よりもイキイキしていて、世界観が出ていて、「俺らはコント師やから」という屋敷の言葉がまんざら嘘くさくなく、確からしく思えてきた。基本嶋佐の演技ショーなので、どっかで嶋佐自身の意図も裏切られてしまうようなストーリー性が欲しかったけど、でかい石を持ち上げる絵面とか、すごくよかったと思う。決勝進出
10.ジャングルポケット…審査員コメントでも全く同じことが言われていたけど、情報量が多すぎて処理するのに気が取られ、笑いにまでつながらなかった。相関図のボケにつなげるためにあえてだとしても、そこでお客さんにストレスを与えてしまってはキングにはなれないだろう。前も尋問のネタあったし、ジャングルポケット尋問好きやな。トリオを使いやすいんかな。
2-1.空気階段…定時制高校のネタ。嫁はんが笑いどころが分からないといっていた。映画の『シェイプ・オブ・ウォーター』みたいというか、普通の異種族ラブストーリーにしか見えないというか。それに、もぐらがちょっと障碍者を演じているように見えて感覚的に笑えるモードに入れなかったと。もちろん空気階段自体にそういう悪意はないし、そう読み取られないようもぐらをくささない展開にうまく持って行っていたのだけれど。
まあ確かに手紙を受け取ってから全然意味わからないもぐらのセリフが流れて、それをかたまりの手紙で解読するというのは、ちょっと物語を進めるのにスピードがかかり過ぎるよな、と思う。やはりコントと言えどもめちゃくちゃな破壊力か、それがなければ漫才くらいのテンポ感の再現は必要なのだ。
2-2.ニューヨーク…ヤクザ。前にYoutubeで見たけど、やっぱり面白いネタだ。秀逸なあるある(おしゃれを見せるタイミングを失った)だけでも面白いのに、そこにヤクザを乗せることでばかばかしさもアップしている。しかし、やっぱヤクザに優勝させるのはなあ…とブレーキがかかりかねないのは確かだよなあ。気概とプライドの分、優勝からは遠ざかったのも確かだと思う。あとやっぱこれは「アウトレイジ的なもののパロディ」でニューヨークはそういうのを好きで真似したいという背景があるとないとではやっぱり見方が変わってくる気がする。
2-3.ジャルジャル。タンバリン泥棒。めちゃくちゃベタで、ドリフみたい。ほんとに取りに来ている。その点をいやらしいとか、お笑いクラスタ的には浅いとかいう見方もあるだろうが、結局今までベタが圧倒的に強いのだ。そこを的確にさせるというだけでもジャルジャルはやはりキングの称号にふさわしい。最後に二人でパーティの振りをしてタンバリンをかき鳴らしながら去っていくというのもまさに、右肩上がりの終わり方で、良かった。これができているとできていないでは全然点が違う思う。
気になったとすれば福徳がボケの時の変なしゃべり方が2ネタともに共通していたこと。あれ面白いけどともすれば小学生の変なしゃべり方で笑わせようとしてるやつにも感じられて、引く時もある。
ともあれ、納得の優勝でした。おめでとうございました。