鬼滅の刃22巻まで読んだ
結局映画を見て、最新刊までググイと読まされてしまったのだから、集英社案件だろうが電通案件だろうが作品自体の力だろうが俺の敗北である。
普通に少年漫画でバトル物をやろうとしたら、鬼の総大将がいて、その下に配下の12鬼月がいて、上弦の鬼・下弦の鬼のそれぞれに配下の部下が数名いて、それを主人公チームで各個撃破していくのがセオリーだと思う。
そのセオリー崩しをあっさりとやってのけた胆力。
それに、あの、本当はただ敵を切っているだけなのに波や霧、炎などのエフェクトを付けることで何やらそれぞれにものすごい属性攻撃を発揮しているように見せるやり方。
それも、リングにかけろ!とか先駆的事例はあるとはいえ、すごい。
終盤は正直言って薬無双である。
そんな色んな薬作れるならサイキョー剣士になる薬でも作ったらええやないか、とほかの作品を読んでいるときの俺なら思うと思う。
しかし、そうはならない。
ひとつはあまりに展開が早いのでそれを気にしている場合じゃないから。
もうひとつは、数百年という単位でラスボス無惨撃破を狙ってきたという歴史があるので、まあ、それだけの年月をかけたらなあ、と無理やり納得させられてしまうから。
俺たち全員数百年も生きたことがないもんで、数百年生きたらできるんだよ!といわれたらついついそんな気がしてしまう。
話に説得力を持たせたいなら2つ以上嘘を重ねるなといわれるが、これは嘘で嘘を補強した形である。
こういうレトリックには非常に興味がある。
というか、普通の漫画なら18~22巻当たりが一番脂がのって面白いもんな。
そこからだんだん惰性となるのが当たり前である。
終わり方次第ではこのくらいすっきりした名作はもっとあったのだろうな。