正月の思い出
朝から5つももちを食ったので胃袋が重い。
正月はしんどい。
どうしたって、「正月だしな」という思いが生じて何もできなくなってしまう。
といいつつ、これを書いているのはすでに4日。
正月は明けている。
胃袋は重い。
過去の思い出を活写するようなことが苦手だ。
記憶力も悪いし、想像力もないからだ。
しかし、努力してやってみる。
正月の思い出としてなぜか一番覚えているのは、中学3年の大みそかに近所のブックマーケットという古本屋で幽遊白書26巻を大人買いして、ついでに長編漫画を2ページで解説するというファスト映画の走りのような脱法アイディアをもとに製作されたコンビニ漫画も350円で購入したことだ。
それをずっと炬燵で読むのが正月であった。
長編漫画をまとめた冊子で俺が初めて知ったのが『レイプマン』という出版コードを完全に無視したタイトルかつ、別に長編でも何でもない漫画であった。
【まとめ本】を親族の集まりの夜の食事の席にまでもっていき、ジョジョの6部までのストーリーまとめを読んでわかった気になったのもなんとなく脳裏に残っている。
ここまで思い出を書き出して気づいた。鍵カッコがない。
俺はセリフややり取りをまったくもって覚えていない。
さくらももこだって向田邦子だって、本当にそのときのやり取りを一言一句覚えているのではなく、だいたいの状況から記憶を「創造」しているのだと思うが、その想像の種すら俺の海馬にはあまり残されていない。
もっと、思い出す努力をしないと、なんにも思い出せない老人になってしまうかもしれない。