話をしようよ
朝から段ボールを待った。
嫁はんは部屋で臭い毛布にくるまっている。
昨日に酒を飲んだから頭が痛いのだ。
※俺は飲んでいない
引っ越し屋のおじさんが来たので受け取りに玄関へ出る。
マスクをつけ忘れてしまった。
2、3質問をして、請求書を受け取り、段ボールを部屋において帰ってもらう。
俺は部屋まで入ってくるかと思ったのだがそんなことはなく、「すわこのだらけた姿と汚い部屋が見られてはかなわん」と焦っていた嫁はんは怒りを表明する。
「家が汚い」とオレを非難する。
育ってきた環境が違うから、好き嫌いは否めない。
でも、これは「好き嫌い」ではなく心に設けた「ハードル」の話だ。
その「ハードル」が高い方が基本的には何かを担当すれば、文句は出ないし…。
というのは浅はかな現場を知らないものの考えであって、基本的にひとつのハードルが高いものはほかのハードルも高い。
よって、ハードルの高さに合わせて役割を割り振るととんでもなく不公平なものになってしまう。
とかくこの世はすり合わせが重要だ。
だから俺は嫁はんと話し合わなばならない。
ハードルをふたりの納得のいく位置へ設定しなければならない。
なんていいつつ、話を逸らしたり、外へ遊びに行く誘いをしたりといった搦手の方が有効だったりもするのだが。