裸で独りぼっち

マジの日記

映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』ネタバレ感想

MONOS  猿と呼ばれし者たち

※『フルメタルジャケット』のネタバレもあります。
この映画に関しては宇多丸師匠の解説が役に立った
そもそもコロンビアの内戦について全然知らない。
だから、かなりおとぎ話的に最初から見てしまったが、本当は事実を知ったうえで背景を肉付けした方が豊かな映画体験になると思う。
まあ、全部の映画がそうかもしれないけど、意外とそのあたりが重要な映画だと思った。
それくらい「状況」だけを投げられてあまり説明はしてくれないので。
先にコロンビアに入国しておくくらいがちょうどいいと思う。
序盤が退屈という人もその前提があれば少なくなるだろう。

やっぱり終盤のランボーをかくまってくれた両親がシンプルに殺されるのは何ともきつい。つい先日『フルメタルジャケット』を見て、ハートマン軍曹がハニカミデブに殺されるシーンを見た時もちょっと同じ感じになった。観客から見て「こいつは大事だろう」「死なないだろう」と思われる人間をポッと殺してしまうのが、戦争の無情をダイレクトに伝えるし、誠実なアプローチだと思うが、やっぱりその先の答えが欲しくなってしまうな。
今回の場合、アメリカ軍?に救われてはいたけど、それが救いだとすれば欧米側の傲慢だし、救いでないとすればやっぱり答えは一欠片もなく、モヤモヤ……。
まあ、モヤモヤするのが現実だから仕方ないんだけど、まあ、戦争をエンタメにしてはならないという矜持があるということなんだろうな。

博士はスウェーデンを殺さず気絶させただけと、見た直後は考えていたけど、やっぱり殺したんだろうなと振り返っておもう。そして博士の生死も明らかでない。
本作で一番立場が近いような気がして感情移入してしまうのは博士だけど、結局博士も手を汚すことになったわけで、観客も十字架を背負わされてしまった

 

俺よ、コロンビアはここだ。

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赤道直下、ブンブンとうなる羽虫。

水木しげるの戦争漫画などのイメージが浮かび、極彩色の地獄という言葉が反響する。

高野秀行とか、冒険家はかっこいいなーと思うが、生きて帰ってきているのは多分に運も大きいのではないかと感じる。

だって、世界は危険でいっぱいで、日本はその中でも有数の治安のいい場所なのだ。

 

そう思うと海外旅行なんてわざわざ自分の命を危険にさらす行為に他ならない。

よっぽどの命知らずか、もしくはリスクを理解できない馬鹿者のやることだ。

高野秀行は前者、俺は後者。

だと思っているから、俺は冒険する気にならない。

命を拾って生きている。

 

 

公式サイトからこの記事のリンクに飛ぶことができる。

https://note.com/zaziefilms/n/n34a8e6028822

やっぱり読んだ方がいいんだろな。