キャッチ・ザ・シット
昨日、キャッチャー・イン・ザ・ライのことを考えていた。
20世紀最大の青年小説。あまりに、あまりに有名な。
おおむね「あーこういう気持ちの時あった気がする。いまは世間ずれしちゃって共感できないけどね」みたいな反応が多い。
なんだか悲しくなった。
俺は、2年ほど前に一度読んだきりだが、いまだに共感できる気がするし、レビューでたまに私は気の狂いそうな彼の気持ちがわかるといった趣旨のものがあると少し目頭が熱くなった。
しかし今日、冒頭の記事が大きくバズっているのを見て、気力を取り戻したよ。
高校生時に大人や社会の汚さに耐えきれなくなって中退し、その後は野糞に生き、妻さえもそのために失ったおじさん。
彼を支持したい気持ち、それはホールデンを親友のようにいとおしく思う気持ちと同じだよ。
久しぶりに、胸と腸がスッとするニュースを見た。
しかし、俺はやや排尿恐怖症のけがあるので、外で排泄は向いていない気がする。
おまけに痔まで発病している。
ちょっと前に怪しいビジネスに勧誘するそれこそ糞みたいなコメントがこのブログに寄せられていたが、次は痔に100%効く軟膏はどうでっしゃろ的コメントが寄せられるのではないか。
黙れ。俺にはプリザSがついている(ほんまに宣伝みたいになった)。
「信用」をあまり欲しがるな
俺は基本的にどんな言説も50%しか役に立たない思っているし、逆に言えばどんな言説も50%は役に立つと思っている。
シロクマさんがこの記事で言いたいことは「挨拶や礼儀作法はなぜ大事とされているのか」で、その答えは以下の通りだ。
→信用は放置しておくと目減りする
→そのため、信用をメンテナンスしなければならない
→信用のメンテナンス方法とは、挨拶や礼儀である
※そういうものをショートカットする手段はあるが、そういった手段で気づいた信用は偽物であり、非常に失われやすい
この文章も例に漏れず、50%しか役に立たないなあと思う。
信用をメンテナンスするといっても、水道工事ではないのだから月一で点検作業のように礼儀を払ったり敬意を示すわけにはいかないだろう。
タイミングが重要であるし、タイミングを外したら、意味がない。
そして、信用メンテナンス弱者は、タイミング読みの下手な人間である。
ありがとうをいうべき時にごめんなさいを言ってしまい、挨拶が必要でない火急の事態で挨拶をバカ丁寧に行ってしまう。
そうして、精一杯「信用」を積み重ねるべく行った行動も1タイミングを逃したことで「パー」だ。
もちろん見てくれている人もいる。
俺はブラックジャックの「六等星」という話が好きだ。
ブラックジャックはある日、町で起こったトラック事故に見事な処置を施す椎茸医師に出会う。しかし椎茸医師は病院では日陰者だ。周りからは地味で無能な医師だと思われている。
椎茸医師の務める病院では次期院長をめぐる争いが起きており、もちろん椎茸医師はその輪にも入れていない。そんなある日、院長をめぐる汚職で2人の時期院長候補のエース医師は逮捕されてしまう。
そこで、椎茸医師が実力を発揮するのだ。
ブラックジャックはああいう人こそ、「遠くで光り輝く6等星」のように実は大きく周りを照らす存在ではないかという。
椎茸医師のようにコツコツ信用を積み重ねるという手はある。
しかし、現実は漫画ではない。
本当の人間は椎茸医師のように誠実ではない。
能力は低いうえ、本当は礼儀など誰にだって払いたくない、みんなが自分に払うべきだ、これは俺に対する税金だとしか思っていない。
だから、どうせボロが出る。
そうなったら、どうせそれまで気づき上げた信用はボロボロと灰燼に帰すのである。
こんな危険な賽の河原の石積み的行為を俺はとてもおすすめできない。
もういっそ、「信用」が欲しいという気持ちは棄ててしまうのが良いと思う。
そのうえで、挨拶したいときはするし、礼儀を払いたいときは払う。
決して見返りは求めない。
ただ脳の信号に従ってやる。
そう決めたほうが、結果として「信用」は積み上がりやすいし、たとえ積みあがらなかったとしても、苦しまずに済むのではないかと思う。
遅刻の爽快感について
今日会社に遅刻した。
会社員生活で、初のことである。
目覚めた時間は9時6分。
定時を割っていたので焦る余地もない。
冬の魚類のような顔で身支度をし、弁当を手にし、定期入れとスマホと財布を手に家を出て、駅に向かうだけであった。
駅までは歩いて15分。
当然走りはしない。
ベージュの空の下、広くもない歩幅で、朝の散歩をする老人らと共に、駅へ向かった。
ラッシュ時をすぎた駅はそれでも空いているわけではなく、俺と同じように遅刻したやつやこれから訪問へ向かう営業マンらしき人たちで溢れていた。
そのとき、俺は、気持ちよくなってしまった。
ここから怒涛の官能展開になるわけではない。
ああー、「世間が動き出してる中ズレてるって気持ちいいなぁー」と思ったのだ!
久々の遅刻感覚がこんなに良いものだとは。
クセになってしまいそうだ。
悪い予感が止まらない。
もちろんこんな話、選択的にフリーターをしている人やフリーランス、自営業の人からすればとんだ小市民の独白だろうが、なんせ爽快感があった。
それは、たまにだから味わえるものだろう、きっと。そうなると鎖があるからこその自由時間の楽しみ。自由に足を踏み出して歩きまわれるうれしさとも表現できる。
これをちょくちょく社会的に損しない形で味わう方法はないだろうか?
オールナイトニッポンゼロ 新規2パーソナリティ感想(ランパンプス・SUPER BEAVER渋谷龍太)
【ランパンプス】(☆5段階評価)
トーク力★★★
話題性★
ユニークさ★★★
コーナー力★★
聞きやすさ★★★
異例の大抜擢となったランパンプス。
東京NSC16期で芸歴7年目。同期はコロコロチキチキペッパーズ、カミナリなど。
693組から選ばれた1組である。
ディレクターはサウンドマン所属の舟崎彩乃。井上苑子のDだったそう。ほかに三四郎やオードリーのADを担当。くそ忙しそうだな。
作家はトゥルーマン翔。ADはニューヨークANNのディレクターだったノリタカさん。
翔君が作家見習いから昇格し、ノリタカさんが降格するという、ノリタカハウスさながらの展開となっているw
オープニングトークはお定まりの自己紹介からランパンプスの歴史へ。
序盤は、小林は緊張してるし、屋台骨の策士寺内もかみまくるしでやっぱ頼りねえなという印象だった。
しかし、小林アイドル期~ジャンクションの流れは非常にユニーク。ここでユニーク点を稼ぎまくっている。小林の毒舌も寺内の真面目さも出ていないが、オーディション見て発注したんと違う!と編成はなっていないだろうか??
ここでも噛みまくっていたのは事実だが、「ああ、こういう面白がり方を提供してくれるんだなこの人たちは」と非常に安心した。
その後のフリートークも安定。
菅田正輝にはまりに行ったら吉野家にはまってしまった話や、火花のエキストラのおばさんにさんざん先輩風吹かされ、結局その人は出代1カットだった話など、華やかでも奇抜でもない話だが妙に記憶に残るということでよい語り口だったのだろう。
どちらも寺内の話だが。
とはいえ、小林がダメだったわけではなく、「俺も一回シーンとなってから会場が沸くツッコミしたいよ!」など、気持ちの乗ったフレーズには「おっ」と思わされた。
コーナーは「5月8日」のみ。
コンビを結成した日「5月8日」をとっても大切にしているランパンプス。
アナタが大切にしている「日付」と「その日の思い出」を箇条書きの形式で送ってください。
あなたの記念日と思い出に、2人が優しく寄り添います。
<たとえば、、、>
ボケ4、つっこみ4の合コン
芽生えたほのかな恋心
高鳴る胸の鼓動…
とのことだが、正直これは説明を聞いてもよくわからない。
このコンビ結成エピソードもおもんないし、自由演技系のコーナーなのでネタも考えにくそう。
はじめはもっと無難に大喜利系のコーナーにするほうが無難では??
「ジャンクションの次の曲名」とか。
まあ、よくわからないコーナーほど跳ねたらでかいからな。
跳ねなければ1年で終わるのだ。
ランパンプスの飛翔を期待したい。
【SUPER BEAVER渋谷龍太】(☆5段階評価)
トーク力★★★
話題性★★
ユニークさ★★
コーナー力★★★★
聞きやすさ★★★★
邦ロックバンドSUPER BEAVERのボーカル、新宿生まれ新宿育ちの渋谷がこれまた大抜擢を受けてニューヨーク亡き跡地に滑り込んだ。
ゴッドタンのエンディングテーマでバンプのHAPPYに疾走感を足したような曲を流してる人というイメージで「えーなんで抜擢されてん」と思っていたが、経歴をうかがうと確かに非常に面白い。
2005年にバンドを結成、2009年にメジャーデビューし、NARUTOのオープニングテーマなどチャンスもらうものの、セールスが振るわずに、2011にインディーズへ帰る。そこから自主レーベルを立ち上げて返り咲いた。
新宿育ちということで金持ちっぽいのが鼻につくが、挫折を経験しても屈しない姿は音楽への真摯さを感じさせて非常に好感が持てる。
見た目は路地裏で女子高生に薬売って処女奪う池袋のヤンキーみたいだが、声もバンドだけあって聴きやすい。
岡村隆史やニューヨークにいじらせる土俵があるってことやからな。
ランパンプスにすらいじられてたからな。
閑話休題。
何がよかったってコーナーがすべて面白くなりそうだ。
◆シブカリ
人気アプリ「メルカリ」ならぬ「シブカリ」
渋谷龍太が思わず借りたくなる、アラサー世代が懐かしいアイテムの情報を募集。もし実物を持っているという方からの情報もお待ちしています。実際に借りたいと思ったものがあれば、連絡して実際に借りちゃいます。紹介したあとは、きちんとお返しします!◆HANNER SONIC
ロックフェス「SUMMER SONIC」をリスペクト!リスナーのアナタからオリジナルの鼻歌をボイスメモなどの音声ファイルで
送ってもらうコーナーです。送る際は、鼻歌のタイトル と 現在のお題である「LOVIN YOU(ラヴィンニュー)」を、鼻歌のどこかに「セリフ」として入れて送ってください。
◆夜明けのぶーやんダイヤル
友達から「ぶーやん」と呼ばれている、渋谷龍太に答えて欲しい相談 や 悩みを 留守番電話に残してください。そのメッセージに、渋谷龍太が「言葉」と「音楽」で答えていきます。
ご覧のとおり、どれもハガキではなく、文字や音声を送るタイプである。
これはスタッフめんどくさい。
だからこそ、やる気がみなぎっていると感じられる。
星野源「恋」を踊りだすようなお調子ものスタッフということで、
パイセンTVのマイアミケータ氏のようなチャラくて仕事に熱い人間を想像しているが、ディレクターは誰なのだろう?
そして、作家は誰なのだろう?
オープニング曲をいきなり募集するという構成もよかったね。
やっぱりラジオは初めにリスナーと活発なやり取りがあるかどうか、
リスナーの兄貴もしくは玩具となれるかどうかが重要なのだ。
結果ブルーハーツ「英雄に憧れて」に決まったということで、しっくり収まったと思う。
まあ、盛り上げるための八百長で、自分のやりたい曲を選んだ可能性も否定できないが。
まあそうだとしてもそこも含めて盛り上がる良い第一回だった。
このままタイトルコールせずに1年目を迎えてほしい。
そしたら前代未聞ラジオとして伝説になれるよ。
まとめ
ま、結果としてはそれほど悪くない2組である。
第一回なんてラジオ大体そこそこおもろいのでまだわからないが。
スペシャルウィークの立ち振る舞いで1年バイバイかどうかが決まるだろう。
呼べるゲストは呼べるだけ読んでくれよな……!
世界が75億人の集合体だったなんて
世界がもしも100人の村だったら
という思考実験があるが、あれは害悪ではないだろうか?
なぜなら、世界を自分の手で届く範囲で捉えるクセがついてしまうから。
俺は正直ずっと世界がをせいぜい500人以下くらいのスケールで捉えて生きてきた気がする。
俺は500人の中で100番目くらいに賢く、
300番目くらいの運動能力で、
450番目くらいにモテない。
総合的には230番くらいに恵まれている。
大きな不満もないが、納得いかない。
しかし、大人になって気づいたが、世界は100人の村ではないのだ。
75億人が犇めくどでかいプレートであり、その中に、俺が今までいるようでいないような幽霊みたいに捉えていた世界的音楽家もホームレスもヤクザも生きているのだ。
俺はたぶん3億番目くらいに恵まれている気がする。
バリエーションに富みすぎていて、怖くて小便をちびりそうだ。
もし借りに俺以外の全員が立ち向かってきたら、かなうわけがないのだ。
世界の部品として生きるしかないのだ。
それは、結構すごいことなのだ。
ただ、世界はその大きさ故に歯車が少し狂ったくらいで気づきはしないのだ。
ラッキー。
というわけで、
世界は75億人の集合体だ
という本を誰か出してくれ。
75億分の1、1.333333E-10%からの要望である。
トーテム 感想
本日、仙台市あすと長町で行われたシルク・ドゥ・ソレイユ公演「トーテム」を見に行った。
初サーカスの感動のままに、感想を述べたい。
総括としては、後半がすごいということが言える。
正直舞台装置は飯が3杯喰えるほどすごかったが、演目が始まってからは前衛的過ぎてついて行けない点もあった。
正直今でもストーリーは、飲み込めていないのだ。
(あるのか?)
前半はそこら辺の辻褄について考えを巡らせていたため、そこまで醍醐味を味わえていなかった気がする。
後半は前半でみた登場人物が再び現れたのに加え、本当に物理法則をぶち破っているのではと感じられるほどのすご技が数点みられた。
その技は公式の宣伝動画で一瞬見れる。
ぜひ、公式動画をご覧あれ。
わからないながらストーリーを考察すると、
カエル人間の星にノアの方舟がたどり着いたのではないか?
さまざまなしゅるいの人間だけ出なく、様々な時期の人類も含めた巨大な方舟が。
人類だけを集めた人類だけの方舟。
最後は人間賛歌のように踊り狂う。
前衛的だとさんざん言ったが、仙台ならではのワードを出したり、客いじりがあったり、サービス精神は満点である。
仙台近郊の方はぜひ。
ヤングジャンプ4/6(木)2017年 19号 感想
『よいこの君主論』や『戦闘破壊学園ダンゲロス』などの特殊ライトノベル作者の架神鏡介さんが運営していた「男爵ディーノ」という有名なジャンプ感想サイトがあった。
文章力と確かな観点からのレビューを毎週(それこそジャンプ以上に)楽しみにしていたものである。
残念ながら架神さんの漫画連載が開始したことでサイトは終わってしまった。
その後、ジャンプを読むことがなくなってしまったのにも、男爵ディーノの終了が確実に関係しているだろう。
今は、ヤングジャンプを読んでいる。
とにかく、感想を書きたいと思ったのだが、ああいうのが書けたらいいのにと思ったことを断っておきたい。
女っぽい青年が源氏物語になぞらえて、いろんな女を攻略するという話。
ずっと、この漫画めちゃめちゃ中途半端だなーと感じている。
エロ漫画だよね?
それにしてはあんまりエロくない。キャラの顔も満月みたい。
というのも、ヤってる時の描写が少ない。裸も全然映らない、
これなら、同じヤンジャンの「妖怪少女-モンスガ-」と方がよっぽどである。
でも、ドラマとかにしたらそこそこ面白そうだよね。
今週はヤリチンに意中の女が寝取られそうになるという意味では
俺好みの展開なのだが、そもそもそのヤリチンが説得力のあるヤリチンっぷりを発揮していないので、何とも感情移入しがたい。
主人公が女装して防ぐっていうのはキャラの特性を生かしたいい展開だと思ったんだが……。
キングダム
ケレン味(男爵ディーノでよく出てきたフレーズ)があった。
もちろん、王翦が座したまま軍略を練るシーンが。
これで終わらないんだろうなーというのはわかってるけど、
ここでいったん展開を変えるのは勇気があるな。
このままあの舞台設定でダラダラ日常を続けることもできただろうに。
最後に出てきた隠し部屋が何か今後の展開に関わる気がする。(なんて単純な感想)
リクドウ
今熱い。
東京喰種:re
今唯一読んでない。
もうわけがわからん。
reの前は理解できたけどreからは……。
ワンパンマン(読み切り)
うまいし楽しい。
筆跡鑑定士ことは(読み切り)
読み切りのセオリーにのっとりすぎ。
と思いきや、金成陽三郎は金田一の人なん?
あれ、キバヤシってこと?
筆跡っていう目の付け所に引っ張られすぎて話が地味になってしまっている気がしたんだが。
確かにワンアイデアだけで終わらず、きなこの伏線も回収されるのは流石ベテランの手腕とは思う。ソツがない。
犯人がすぐに死のうとするとか、家族のつながりやばいとか、女をむっちりタイプにさせるところとかは、金田一の手つきだな。
うらたろう
第1巻が速攻重版してんのにこの打ち切り展開とはこれいかに。
ミスター死生観という通称にひかれてこの漫画はずっと楽しく読んでいた。
「人生は答えを見つけるためにあるんだ」は陳腐ながらその名に違わない
結末だったんではないだろうか。