裸で独りぼっち

マジの日記

友だちからの急なライン

今日は高校時代の友だちから急に俺の通信環境について尋ねるラインが来た。

 

すわ、乗っ取りかと思った俺はすかさず「あ、怪しいな…、君、三年何組やったかいうてみい」と訪ねる。

 

すると、意外にも正しい答えが。

本人であった。

 

wifi業者の社員となったようだ。

良かったのか悪かったのか

 

 

友だち幻想―人と人の“つながり”を考える (ちくまプリマー新書)

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「怒りの日」、どんな映画の予告編もワクワク物に出来る説

 

 

古来から、映画は予告編が一番面白い、と言われている。

予告編が面白い理由には、「名シーン・セリフがちりばめられている」「時間が短い」「テロップやナレーションなど情報量が多い」などが考えられるが、曲がその面白さの大きな要素を握っている気がする。

あなたも、映画の予告編でなんてことのないJPOPが落涙ものの名曲に聴こえた経験はないだろうか?

 

映画の予告編、という場は、曲のポテンシャルを増幅させるこの上ないステージである。

ある種、信じられない予算がかかったMVだともいえるわけだ。

 

そんな音楽の隠れた楽園。秘密のみゅーじっく花園でひときわ輝きを放つのが、

「怒りの日」という教会音楽だと思うのだ。

上に並べた動画のようにパニックムービーで用いられることが多いこの曲。

否応なしに気分が高揚して、映像に見入ってしまう。

 

映画どころか、底辺Youtuberの飯食い風景やゲーム実況風景でもこの曲を流せば

ワクワクものにできる気がする。

 

いずれ検証したい。

有田ジェネレーションはもはやワンピースだ

有田ジェネレーションという番組がある。

有田とは、くりぃむしちゅーのボケ有田哲平のこと。

バナナマン設楽いわく、最も芸人としての能力のバランスが取れた男。

コントヤマグチ君とタケダ君の付き人からスタートし、ボキャブラ天国でスターダムに乗り上げ、それでも邁進せず笑いに熱心に取り組み、着実にスターダムに乗り上げた賢さとマネキン漫才やおとぼけキャラ、リチャードホールくりぃむナントカくりぃむしちゅーのオールナイトニッポンなど伝説のお笑い番組をクリエイター・ショーマン両方の立場から生み出してきたセンスを兼ね備えたスーパー才能人間。

 

くりぃむしちゅーコンビとしては主にテレ朝系のバラエティを席巻し、上田ピンとしては司会業にまい進してきたイメージがあるが、有田はというとずっとピンでもお笑いに携わってきた。

 

それは、いつぞやの24時間で飛び出した上田の「有田にはずっとバカやってもらいたい」という言葉を忠実に守ってきた証拠だ。

 

その結果として、シュール深夜バラエティの嚆矢アリケン、設楽の司会の才能が抜群に発揮された唯一無二の突発コントバラエティむちゃぶり、くくり素人集め系番組(昨今では「さんま×東大生」や「好きか嫌いか言う時間」のフォーマット)の元祖有田とマツコと男と女など超名作が生まれてきた。

そんなテレビバラエティ界の鬼才有田の番組、有田ジェネレーションが面白い、というのは、もちろん周知の事実ではあるだろう。

そもそも有田チルドレンが惜しまれつつも終わってしまった(というかリニューアルだが)、その後継として生まれた有田ジェネレーション。

チルドレンの時点で狂言回し小峠とTBS的にいえばあらびきな芸人たち、それをいじり、評価し、躍らせる有田やケンコバたち審査員といったバランスは相当完成していた。

今、○○な芸人というくくりで、無名芸人を集めるという趣向は言うまでもなく押しも押されぬ人気バラエティアメトーーク的であるし、有田とマツコと男と女的でもある。

彼らに対してむちゃぶり、いじりが行われるPPRタイムはむちゃぶり的だ。

そういう過去の名作の幻影を見ることができるのも、有田チルドレンの大河的楽しみ方であった。

 

そして、その大河的面白さは、実に計算高く有田ジェネレーションに吹き込まれているのだ。最初の約半年は、有田チルドレンの形式そのままに芸人オーディションが行われた。

 

オールナイトヘビーリスナーが登場するなど、有田(くりぃむ)大河に目を奪われてきた視聴者には非常にワクワクする始まりである。

そして、半年の時をかけて、ついに有田ジェネレーションが選び抜かれたわけだ。

ここでは彼らの名前は割愛するが、選び抜かれ、また有田のアドバイスによって磨かれてきたというドラマがあるため、非常にかけがえのない人物に、ずっと見てきた視聴者(われわれ)には思えるのである。

そして、別れもある。

ネタバレになるが、ザ・忍者解散して1人になってしまうんだぜ。

舟からあの愉快なギャガーは降りてしまったのである。

そして、死人も出る。

せつこは死んだ。数週間前から出ていた死亡フラグは、きれいに回収されたのだ。

この面白みは、もはやお笑いではなく、ジャンプ的だ。

友情があり、努力があり、勝利があり、別れがあり、ドラマが生まれているのである。

例えばラーメンズのコントはお笑いの裏に技巧的な伏線回収や演劇的愉しみがあるからこそ独特の評価を得ていると思うのだが、それでいうと、有田ジェネレーションはお笑いの裏にジャンプ的熱さを醸成した革命的番組としてひとかどの評価を得るべきである。

 

いや、おそらく受けているのだろう。

受けているからこそ、人気番組として続いているのだろう。

 

しかし、もっとみんな騒いでもいいと思うのだ。

ジェネレーションズカードダスとかも出せばよい。

買わんけど。

 

 

むちゃぶり! 1st.シーズン Vol.1 [DVD]

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早坂吝『○○○○○○○○殺人事件』―バカミスを馬鹿にするバカにはなりたくないが…

第50回メフィスト賞受賞作。

京極夏彦森博嗣清涼院流水など錚々たる面々を輩出してきたこの賞の

第50回の作品としては最低ラインは超えているものの期待値は超えていないというのが、正直な感想だ。

 

目次

  1. 良いところ―ミステリ的キャッチーさと小説的サービス精神
  2. 好きじゃないところ―スケールの小ささ

1.良いところ―ミステリ的キャッチーさと小説的サービス精神

タイトルのケレン味が抜群の小説であることには間違いがない。

タイトルをあえて隠して読者に当てさせるというのは、まず新本格以降のミステリ以外ではありえない発想だ。

・フーダニット―誰が殺したか?

ホワイダニット―なぜ殺したか?

ハウダニット―どうやって殺したか?

この3大要素で大半のミステリは構成されている。

加えて、

・ウェアーダニット―どこで殺したか?

・フーズニット―誰を殺したか?

・ウェンダニット―いつ殺したか?

が少ないながらも見られるだろうか。

※法月倫太郎の短編集で以上の6要素を1篇づつ取り扱ったものがあった気がする。

 

その地平に、新たな視点を付け加えたという点は大きく評価できる。

 

加えて、文章の軽さも称賛に値する点だ。

ラノベっぽすぎる」という文句を読書メーターかどこかで見つけたが、この軽さはラノベよりも東山篤哉や赤川次郎などのユーモアミステリに近い。

登場人物のキャラも常識の範囲にとどまっており、同じメフィスト賞作家でも西尾維新汀こるものの作品のほうがよっぽどラノベっぽい。

ともかく、あくまでミステリの範囲で読みやすいようにする工夫がみられる点、実際読みやすい点は大変好印象だ。

こうでなければ売れはしまい。

 

2.好きじゃないところ―スケールの小ささ

とはいえ、前代未聞タイトルあて―ワッチャネームダニット?―という設定の期待感に反して、どうにも小ぢんまりとした話だった感は否めない。

タイトルあてという隠れ蓑を利用して、大きな叙述トリックも仕掛けられており、それもまた一風変わったもので、それ自体は評価に値するのだが、特にタイトル宛てとリンクし、驚きの連鎖が起こるような仕掛けは全くなかったといっても差し支えないだろう。

この作品は「読者への挑戦状」に始まる尖った趣向ながらバカミスメフィスト賞作品でいえば「6枚のとんかつ」レベルで―なのである。

俺はバカミスに顔を真っ赤にして真剣に切れるようなバカではないと自負している。

だが、そうはいえども少し鼻白んでしまうのも事実である。

だって小説ではめったなことがなければ笑えないからね。

バカミスは、壮大なスカシなわけで、そこを「ばかばかしいww」と笑い飛ばせる笑いの強度がなければならない。

しかし、今回はそこまでではなかった気がするなあ。

なぜかと考えると、ラノベっぽくなさ過ぎたせいではないか。

つまりは、キャラが薄すぎたせいではないか。

南国に入ると人格が変化する主人公というのは非常にとがっていたが、そのほかの人物は最低限の特徴しかなかった。もっと奇人同士のやり取りを描き、それ自体の裏で精緻な論理を展開したほうが驚きもより深くなっただろう。

 

ほかの作品は表紙もラノベっぽいしもう少しキャラが立ってきているような気もしないでもないので、

一読してみたい。

 

 

○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)

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○○○○○○○○殺人事件 (講談社ノベルス)

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鴨川不当感覚


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鴨川のすぐそばに位置する小川珈琲で時間をつぶしている。

 

そもそもここに入ったのは、free wi-fi があると思ったからである。

 

「京都 無料 wifi」。

 

婚活パーティにおける第一声で年収を尋ねるくらいに、露骨で品のない検索ワードでぐぐってたどり着いたのだ。

 

遊牧民必見!というちょうど恥ずかしい古さの惹句が添えられたnaverまとめのナビに従ってたどり着いたわけだ。

 

しかし、KYOTO wi-fi に繋がらない。

 

KYOTO wi-fiググると、普通に問題なく使えるという情報しか出てこないのに。

 

そもそもあると思っていた小川珈琲独自のwi-fiがない。

 

くそー、なぜ運命からこんな不当な扱いを受けなければならないんだ。

 

wi-fiが見つからなかったり、電源があると思ってマクドにはいったら電源がある席は埋まっていたり……。

 

もちろん、ルーターを持ち歩けばこんな問題は起こらないのは分かっている。

ということは、俺が悪いという結論になるけど。

 

しかし、「KYOTO wifi 繋がらない」の露骨ワードでもさしたる情報は掴めないのだ。

もう手はない。

こういうとき、自分はスマホを持った原始人だと強く感じる。

 

小説『七帝柔道記』感想― 体育会系のリアルな良さがわかる

 

北大、東北大、東大、名大、京大、阪大、九大の七校で年に一度戦われる七帝戦。北海道大学に二浪の末入った増田俊也は、柔道部に入部して七帝戦での優勝を目指す。一般学生が大学生活を満喫するなか『練習量がすべてを決定する』と信じ、仲間と地獄のような極限の練習に耐える日々。本当の「強さ」とは何か。若者たちは北の大地に汗と血を沁みこませ、悩み、苦しみ、泣きながら成長していく。圧巻の自伝的青春小説。

―角川文庫

 体育会系のいやなところ、理不尽なところ、無意味なところをこれでもかと煮詰めた描写が幾度も出てくる。

例えば、「カンノヨウセイ」という儀式について。

これは、いわば1年生をいじめて上級生が溜飲を下げるための無意味な慣習である。

柔道部なOBが押し寄せうカンノヨウセイの日、学生たちは体を張って彼らをもてなさなくてはならない。

白いブリーフいっちょに身をつつみ、「嫌いな上級生は誰か」など理不尽な質問に答え、いびられ、こづかれ、怖がらせられる。

しかし、それは上級生による狂言だったと、すべての儀式が終わってから知らされることになる。

1年生に必ず与えられる通過儀礼であり、自分たちがやられたことを後輩にぶつけるチャンスなわけだ。

これは理不尽なことだ。きっと、体罰やいじめとも地続きになっている部分がある。

―しかし、作中の描写を読むと確かに1年生を仲間へと迎え入れる「イニシエーション」の役割を果たしており、道理が通ってはいないが、意味がないわけではない、と次第に思えてきてしまうのだ。

 

ほかにも体育会系の理不尽、僕た文科系にとっての不可解が作中では幾度となく活写される。

明らかに根性論にのみ基づいた乱取り稽古。

オーバーワークによる致命的なケガ。

打ち込んでいること(柔道)以外の軽視。

頑張ってもどうにも追い越せない歴然とした差を埋めようとすること。

これらは大変不可解な行為だ。

世界にとって害悪といえる場合が多々ある。人を殺してしまうことだってないとは言えない。

しかし、「こういった理不尽な要素を潜り抜けることによって得られる成長はある」とみずみずしい文体と登場人物の細かい心情描写で納得させられてしまう。

 

この漫画、一丸先生によってビッグコミックオリジナルで連載されていた。

ちなみに、一丸先生は、かわいらしい人物像をリアルとデフォルメが取れ、かつユニークな絵柄で描く漫画家さんだなーと思っている。

発信のしかたさえよければ江口寿史や窪ノ内英作のようなデザイナーとして頭角を現す漫画家となれるのではないだろうか。

 

ネタバレになってしまうが、増田たち北大柔道部は最後まで一勝もしない。

描かれるのは努力だけで、勝利はない。

 

あれだけやっても、勝てない。悔しくて、涙がでる。弱音が、吐きたくなる。

そんな気持ちがよみがえり、しかも確実にそれらの思いが自分を成長させて来たということがふっと実感される。

それらをキチンと昇華(消化)できたかはともかくだ。

 

 

七帝柔道記 (角川文庫)

七帝柔道記 (角川文庫)

 

 

バスを乗り過ごすと自分の小ささを知ることができる話

昨日は夜行バスに乗り遅れてしまった。

 

仙台発大阪行き。19:45集合、20:00発。

 

日曜19時台後半といえば夕飯を食べ終わって後片付けをしながら

さんまのスーパーからくりTV」を見る時間と相場が決まっている。

 

実際はその時間、残念ながら「さんまのスーパーからくりTV」は2014年9月に惜しまれつつ終了してしまったため、新しく買ったマルチエフェクターBOSS-GT-1の慣れない操作感に悶えつつ秋田発激唱系ロックバンド鴉の楽曲「巣立ち」をコピーしていた。

結局全然コピーは進まずエフェクターをただただ似たようなクランチ系の音でパッチを埋めただけに終わってしまった。

俺はそろそろ家を出ることにして充電したスマートフォンに電源を入れる。

それは19:40のこと。

バスは21:00発だから早すぎかもしれんけど家をでるか――

 

そう思った一刹那後である。

時間を間違えていたことに気づいたのは。

 

とりあえず「うわうわうわうわうわ」とうわごとのように呟きながら部屋を30秒ほど周回して時間を無駄にした。

途端に、吐き気がして涙が出た。流れたというより、ポロッと零れた。

 

しょうがないので緊急ダイヤルに電話を掛けることにする。

スマホの集音性が悪いうえ、どこから音が出ているか理解していないので、通話時聞き取りづらく、いつもは次善の策としてイヤフォンをしているのだが、今回はその余裕もない。

直ちにダイヤルを行うと、おじさんのしゃがれた声で「ハイ○○交通です」という返事。

 

神よ!頼む。俺はすかさずこうすがった。

「あの、本日20:00からの夜行バスを予約していた○○なんですけども、すみません、今向かってるんですが、どうもえー、10分ほど遅れてしまいそうでして、すみません、」

床に頭をこすりつける勢いかつ息を若干荒くしていま焦ってる感を演出していた。みじめだなんて言ってられなかった。

 

しかし、神は無情である。

「あー、お客様、それはですね、どう考えても、乗れませんね。無理です。ダイヤ上、待つことは絶対にできませんからね」

 

くそったれ悪魔め!と思いながら俺は

「え、、、そうですか、え、えーどうしようかな、え、キャンセルとか無理ですよね」

 

すると悪魔のおじさんは「いや、行けますよ」といったのち、続けて

「ただ、当日キャンセル半額になっちゃいますけどいいですか?」

 

「うーーー、お、お願いし、ます。。。」

(この切羽詰まった声色からほかに選択肢ないのわかってるやろ。。いたぶりやがって。。覚えてろ。。。くそー)

 

この5分程度のやり取りに自分という人間の小ささが詰まっていた。

バスに乗れなかったとて、命まで取られはしない。

せいぜい1万数千円のGW料金が無駄になるだけだ。

にもかかわらず、涙を流してしまうとは……。

今まで漫画や小説における勝負の場面でおじけづく小心者キャラにいらついて

<さっさと命はらんかい>

<ちょっとアバラ折れたくらいなんやねん>

とイラついていたことを全力で謝りたい。

命は大切で、ケガは痛い。さらに、治療費は入院すると1万や2万ではきかない。

 

そりゃ、恐れるわけだなぁ…。

 

結局翌日飛行機をとってほぼ予定から数時間遅れで到着した。

手痛い出費だったが、日本人かつ健康というだけで相当幸せだ。

あー、生きててよかったよ。

あー、幸せ。

 

 

加藤淳の本―さんまのスーパーからくりTVプレゼンツ

加藤淳の本―さんまのスーパーからくりTVプレゼンツ