有田ジェネレーション『地獄のアングラ芸人バトル 3rdインパクト』20190923
冒頭は有ジェネファミリーで唯一KOC決勝進出したネルソンズのインタビューが 冒頭に。
決勝を経験してわかったのは「古いコメディーじゃダメ」ということとのこと。
俺は決してネルソン図のネタを古いとは思わなかったが、なるほど“よくできたネタ”と俺たちが認識できるネタは“古いネタ”でなんじゃこりゃと思うネタこそが真に“新しいネタ”なんだろう。
もちろんなんじゃこりゃ⤵じゃなくなんじゃこりゃ⤴でなければならないのだが。
アングラ芸人バトルがこの番組のビッグコンテンツになるということは深夜お笑いファンの目線はそこに行っているのだろうか。しっかりとそこで視聴率を撮れているのだろうか。
それとも制作陣や業界の評判の良さである意味メセナ事業のように作っているのだろうか。
前者であるはずだ。だとしたら、スポンサー陣に我々は感謝しなければならない。
というかこんなアングラ対決に一企業が大金だすってめちゃくちゃセンスあるな。
まあ番組単位ではないスポット広告なんだろうけど。
ディープ・パープル『Burn!』に乗せて世界の首都をいうスルメ。
スルメのすごさは、「ちょっとだけ笑いの仕組みがわかってること」だ。いや、もしからしたら全部知ってるのかもしれないが。
「陣内のやりそうなネタ」とかこの自分の活舌の悪いという特徴を逆手に取った「ハイキング・ウォーキング方式のネタ」とか、笑いの構造はつかめている。
そのうえで全部活舌と振る舞いで失敗する。客はそこに蜃気楼をみる。
構築された笑いという巨大なバベルの塔が砂状に崩れ去るさまを。
そのダイナミズムに笑うのだ。砂上の楼閣を見ることができるリテラシーの持ち主しかスルメを笑うことはできない。だからこそ“孤高のアングラカオス芸人”なのだ。
対する桐野安生、本名高橋一生は“発明家”である。フルーツあるある、サイレントちょうちょ、餅落語。笑いというか、新しい概念自体を開発してこちらに提示してくるタイプの演芸だ。
観客はポツネンと今目の前にない裏側の世界に気を取られてしまう。そして、ふ、と笑顔にされてしまう。
そのくだらない発明品や曲のクオリティが意外に高く労力がかかっているのも面白の源泉。江戸時代に生まれていたら平賀源内と呼ばれていただろう。
ビッグボーナスよもぎだは、どこからどうやって生まれたのか……。