20201022_胃カメラ検査
胃カメラ検査をした。
結果から言うと、何もなかった。
しかし、体の内部を覗き見るというのは奇妙な経験である。
鼻にまず麻酔をして、それから胃カメラを突っ込むという流れであった。
麻酔をはなから突っ込んでごっくんするのだが、それがなんとも苦いようなしょっぱいような辛いような嫌な味である。薬に共通する独特な味わいは、味覚の種類が比較的多いといわれる日本人でもまだ見つけられていない何かがあるのではないだろうか。
薬料理人漫画、連載希望である。薬機法違反まっしぐら!
麻酔を飲むと鼻の奥がズーンと重くなる。
そして、つばが全然飲み込めなくなり、のどが苦しくなる。
嚥下機能が落ちる。
麻酔が効いているということだろうが、こういう症状がありますよと事前に教えてくれないだろうか。
ゲホゲホと苦しんでいると若い看護士がティッシュをくれた。
唾をぬぐって耐える。
すると、タピオカのストローみたいな見た目の透明な棒が登場する。
それを俺の鼻に突っ込んで、きちんとカメラが通るかどうかを確認するんだそうだ。
少し圧迫感はあったが問題ないですよいう。
すると、左側を下向きに横たわらせられる。
いよいよ、医師の登場である。
鼻からカメラを突っ込まれる。
フサフサの鼻毛は見ていて気持ちいいものではない。
そこから鼻の奥へ行くのだが、ここで問題発生である。
痛い。
先生も通り道を見つけられず右往左往する。
それがまた痛みをあおる。
「逆の鼻だと思う。こりゃ狭すぎて入らないよ」とさじを投げられてしまった。
鼻をレイプされた気持ちで推定50代医師の背中を見送る。
鼻汁を吹いて、今度は逆の穴に麻酔を投与だ。
再びガハゲヘゴホと咳をして苦しみ、ナースにタピオカスティックを突っ込まれる。
今度の方が痛い。
でも、すっと入る感覚はある。
看護師も「こっちのほうがスッキリ入りますね」と一言。
「でも痛いですけどね」と返したがそれは無視される。
再び横たわる。
唾がたれそうだ。
「あの……つばがたれそうなのでティッシュもらっていいですかフガフガ」と麻酔でほとんど動かない口蓋を駆使して注文してみるが、それにも応えてくれなかった。
俺は(鼻の)穴を間違えたことで時間が押しているのだろうか。
先生が気合で突っ込むと今回はカメラも壇ノ浦を超えた。
鼻の奥から喉を通過し、内臓をじろじろ見る。
泡が出ているところには水を浴びせる。
腹の中で急に水が排出された感覚が奇妙に心地よい。
結果として、俺の内臓はきれいだった。
フガフガ会計をすまして、1時間ほどは飲食禁止といわれた状態で街をさ迷い歩いた。
行くところがなく、ドトールに入り、アイスコーヒーを注文。
30分くらいしかたってないけど飲んでみた。
飲めた。
あー苦かった。