複雑かつポップで怪奇FEEDWIT
FEEDWITというバンドがもっと評価されるべきという話をする。
変態の曲展開じゃないですか?
16/16拍子で展開するリズムの細かさの中でどんどんテンポチェンジをかましてくる。
音の空間の作り方もどこか変わっている。
全体の構成を書き起こすと
イントロ→リフ→Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→ブレイク→リフ→Cメロ→Dメロ→サビ→Eメロ→イントロ→リフ’→Aメロ→Bメロ→Aメロ’
最近の曲でよく使われるフレーズに「別々の2曲をくっつけたみたい」というものがあるが、まさにそれだ。ほかのそれ以上にそれなのだ。
そういう意味では流行っぽいバンドかもしれないが、(男女混成だし、)やはりそこに収まらないくらいの過剰さがある。方角の流行という画面に収まっていない。
この最新曲なんて特にそうで、東京事変っぽいところもあれば50回転ズっぽいところもあればTOMOVSKYっぽいところもある。
だから、以下のようなコメントも理解できる。
各人が才能あるのは分かるけど、才能やら個性やらを一曲に詰め過ぎかな?
(「執着に心」YOUTUBEコメントより)
昔エレカシのミヤジがラジオでアナウンサーに際しなるバムを指して「一見食べづらいんですけど一回口に入れたらこんなうまいもんないや」という趣旨の感想を言われて「じゃあ食うな!吐け!!」と切れた一件があった。
その表現を借りるなら、「一見食べやすいけど食べたことない味すぎて「これ美味いのか???」てなります」だ。
でも、きっとうまいに決まっている。もうちょっと人類(俺)が成長しないと味がわからないんだ。
FEEDWITのVo.&Gt. 武藤弘樹(写真左から二番目)がアレンジして引いてみた音源。
ここから読み取れる(聞き取れる)特徴は
①4拍子目に置くアクセント
②リズミカルなミックス
③コーラスがコーラスの域でなくメロディになっている
④クリーントーンが細かく鳴らすオブリガード…
上記のような部分だろうか。
「前々前世」をアレンジするなら、某ガチョウのハウジングみたいにアコースティックにしたり、ジャズ風にしたり、というのが思い浮かぶが、ここまで同じ方向を向いたアレンジ(疾走感×ハイトーン男声)なのにこれほど自分のものにできてるのはやっぱり只者ではない。
この人がバンドの方向性を作っているんだろうなあ。
Twitterを覗くと「前まで死にたかったけど今は音楽に向き合ってから死にたい」という趣旨の発言をしていたので今後もいい音楽を作ってくれるはずだ。
とりあえずライブを見に行きたい。それだけ。