マティアス&マキシム──赤と青
若デビュー天才グザヴィエドランのBL映画。
どっちがマティアスでどっちがマキシムなのかわからんくなった。
(赤がマティアス青がマキシム)
ずっと、色に注目してみていた。
言うまでもなくこの映画ではマティアス(マット)に青、マキシム(マックス)に赤、とカラー設定され、また映画の各場面でも赤と青が効果的に使用されている。
ほんとうにずっとマティアスは青、マキシムは赤の服を着ていて不自然なほどである。マティアスが青以外の服を着るのはスーツの時、マキシムがあ海外の服を着るのは2回目に母ともめた(パスタを食べた)時だけではないだろうか
(見落としの可能性も大いにある)。
とはいえ、その時もちゃっかり青い服の下にマキシムは赤いシャツを身に着けていたのだが。マティアスのスーツは仕方ないとして、なぜあのときマキシムは赤い服を身に着けていたのだろう。わからん。
ふたりが映画の中でキスをして、翌日マティアスが泳ぐ海は当然深い青だ。そして、二人が決定的に交わりそうになるマキシムお別れ会の時の部屋の色は青、突然の土砂降りに合う家を映したショットで赤レンガの家が照らされる。
こうなると、いつ赤と青がまじりあった赤紫が出てくるのかと期待してしまうが、はっきりとは分からなかった。まじりあう前・まじりあうかまだ分からないよ期の話ということかもしれない。
ただ、後半にちらりと移されたマジックアワーの空は青と赤がグラデーションでまじりあっていたような気もする。最後さっぱりと髪を切ったマティアスが青、マキシムが赤ということは二人はやっぱりまじりあいそうでまじりあわないことを選んだのかもしれないなと思った。
オーストラリアに行っちゃうしな。あれ、でもポスター(キスのシーン)だとマティアスがめっちゃ赤だな……。
キスしているときはまじりあって逆になってということだろうか。
絶対カラーマネジメントは徹底して意味が持たされているはずだとは思うんだけど。
演出を味わう系の映画はどっちかといえば好きじゃないけどまあ楽しかったと思う。
きれいなものはすきである。