バカは風邪で死ぬ
体調があまり良くない。
とにかく鼻がむずむずして、くしゃみが出る。くしゃみのときに全身をこわばらせてしまうので、筋肉が無駄に緊張して神経を圧迫し、痛みが走る。頭はぼーっとして口の中は鼻から流れ落ちら鼻水と唾液が混然一体となっており、20代女子にキスしたくない口ランキングを取ったとしたら、第一位が俺の上の口である。
バカは風邪をひかない、という。
俺は長年風邪をひかない人間であった。
と思っていた。
しかし思い返せばこういう状況は季節の変わり目に毎回訪れていた。
そのたびに俺は煎餅布団にもぐりこみ、脳をなるべく機能させずに情報を通過させる娯楽(Twitter閲覧とか)をしていた。
なんかからだがおかしいなあ……と思いながら。
あれこそが風邪だったのだ。孔子は15歳で学問を志した。俺は齢24にして風邪を知った。
つまりここから転じて得られる教訓は、「馬鹿でも風邪をひく。が、風邪をひいたことに気づかないので風邪を引いたことになっていなかった」ということである。