裸で独りぼっち

マジの日記

『デッドプール』80点 いや、まあ、俺が悪いねん……

※ネタバレがあります

デッドプール2』が公開される。

デッドプール』前作を見ておかねばならぬ。

 

ということでAmazonで週末レンタルした。

 

見た感想は、

①期待は下回った

②『デッドプール2』には期待できる

というもの。

 

確かに、期待は下回った。でも、俺が悪いんや。

ストーリー

デッドプール”死の賭け”(ライアン・レイノルズ)こと、俺ちゃんは、人工的に造られたスーパーヒーロー。

不死身の身体持ち。がんに身体を侵されているという宣告を受け、

一縷の望みをかけて挑んだスーパーヒーローへの改造術。その中で激しい虐待を受け、

”腐ったアボカドがアボカドとセックスしてるときにみる悪夢”みたいな見た目になっちまった。

彼女のヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)にも、これじゃあ顔を合わせられない。

ということで俺ちゃんは、スーパーヒーローを生み出す研究を主導していた、反射神経と痛覚の強化改造人間、フランシスを追い詰めて、整形させてから殺すことにする。

所感―俺が悪い

そもそもメタ満載、ハイコンテクストギャグのつるべうち悪ふざけ作品。

という時点で、ある種の教養が必要なのはわかり切っていることだ。

知らない作品の同人誌を買ったところでその作品のファンの30分の1も楽しめないだろう。

ということで、楽しめなかったとしてもそれは俺が悪いのだ、と思う。

 

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いや、楽しめないわけではなかった。ただ、期待値は下回った。

なぜなら、世界でヒットしたという実績があったからである。

 

デッドプール』どころか、アメコミをほとんど見ないし期待していないというツレも「面白かった」と誉めていたことで期待値がストップ高だったのだ。

 

そのため、X-MENとの関係性とか、ヴァネッサとの会話で出てくるアメリカンサブカルギャグとか、飲み込めない部分のアラが思ったよりものどに引っかかったかな。

 

とはいえ、アクションはしっかりしているし、無駄なシーンはない。

そのため、味がおいしいのもわかっているのだ。

 

ヴァネッサが期待値を下回らない美人なのはよかったなあ。

ダークナイトのレイチェルとは大違いだね(と、デッドプールに言ってほしい)。

hadahit0.hatenablog.com

X-MENシリーズの1部だったとは……

まず、前提知識が欠如したせいで損した点として、X-MENの2人―コロッサスとネガソニック・ティーネイジ・ウォーヘッド―についてずっと疑問に思いながら映画を見ることになってしまったことがある。

 

中途半端に『X-MEN』のファーストシリーズだけ知ってたせいで、「え・・・『X-MEN』っていうけどウルヴァリンサイクロプスもおらんし、どういうこと?? パロディ集団?」と脳内エラーを起こしてしまった。

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コロッサス(左)とネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド(右)


デッドプールX-MENのスピンオフキャラ的な立ち位置だったなんてなあ。

ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)を先に見ておくべきであった。

 

とはいえ、そこら辺を説明しきらないのはオタク向けなんじゃないのか、と言いたい面もある。

どうせ第4の壁突破できるんだから、「俺ちゃんはX-MENの中のキャラで、人気が出過ぎて単体作品まで出ることになった。ちなみに、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』とは全然キャラが違うけど、あの時はマリファナが足らなかったとでも思ってスルーしてくれよな」とでも言ってくれればよかったのに。

権利関係とかで無理だったのだろうか。

 

敵が弱い、てか自軍強すぎ

デッドプールのユニバース的立ち位置がわからない以上、この作品を楽しむ要は以下の2つだ。

 

①作品単体でのストーリーライン

②俺ちゃんへのキャラ萌え

 

①についてであるが、「敵が弱い」というのが圧倒的に求心力を奪っていると思う。

というか、デッドプールは不死身なのだからそもそも物語内でのハラハラレベルは常に低い。第4の壁を破るというのも、いわば「なんでもあり」宣言なのだから、なおさらだ。

 

そのため、アクションに緊張感を持たせるには、敵にそれ以上の実力を持たせるか、制約をデッドプールにかすかのいずれかの策を取ることが求められる。

 

今回の敵役はフランシス(反射神経強化・痛覚遮断)とエンジェル・ダスト(超パワー)であるが、正直不死身と比べると雑魚同然だ。そのうえ全身更迭のコロサッスと原子力パワーを持つネガソニックがいるのだから、ヴァネッサという人質がいようが敵チームに勝ち目はない。

というか、なんでヴァネッサ生かしといたんだ! 特に人質交渉の余地はないんだから、さっさと殺せばよいだろう!

なぜ生かすかといえば、デッドプールとの対決場面を作るためでしかなく、そのあたりについて「ご都合主義の脚本じゃない?」などとセルフツッコミが入ればまだしも受け入れやすかったのだが、特になく、残念であった。

 

デッドプールに制約を設けるシーンとしては、ヴァネッサはたいして機能しておらず、しいて言うなら最初の12発の弾丸がその機能を発揮していたであろう。

 

 

他方、キャラ萌えであるが、愛すべき減らず口だとは言え、社長(アイアンマン)とかキャプテン・アメリカに比べるとアンチ・ヒーローとしても十分にキャラ立ちしているとはいいがたい。

 

もっとふざけてよかった。ただ、そこは尺の都合なんですよね~~

 

「2」が期待できる理由

そう、俺は『デッドプール』は2こそが真価を発揮できると思っている。

それは、「1」は尺の都合で、どうしても設定の説明メイン(特に前半は)にならざるを得なかったからだ。

 

エンドロールも含めて1:48:07の映画の尺のうち、実に1/2程度はデッドプールの成り立ちと目的、ほかキャラクターの説明に費やされていた。

 

特に前半は回想シーンが多くて、14:21に回想に入ってから、真の意味で物語が動く「現在」に戻るのが

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36:36


時点なのだからな(そして再び40:55-1:03:48まで回想に入る)。

 

正直このあたりの尺の解決のためにもウィーゼル(酒場の店主)とかX-MEN勢は登場させなければよかったと思っている。原作では出てきているのなら「おいおい、映画なのに尺の都合か?」とデップーに言わせてしまえばよいのだ。

 

まあでも、お話の説明はここ(1)で終わりだ。

「2」からが、本番だ。

 

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※ただ、ヒーローチーム結成話ということで、それぞれの説明で尺を使ってしまうと「1」と変わらない作品になる。そのため、ぜひともキャラを”使い捨て”してもらいたい。