映画『スパイダーマン3』ネタバレ感想
変過ぎて逆に面白かった。
やいのやいのとうるさく言われ、脚本が分裂しかかったりどこに入れるかもわからんショットが出来上がったなかで、シーンのカッコ良さだけは死守したんやろうなあ。
中盤の踊りまくるシーンとかダイナーでダンスするシーンとか、謎の勢いだけはあって「こういうシーンを入れろ!」とごり押ししたセンスないおっさんのセンスだけを詰め込んだ別の映画はかなり見たい。
ずっと親友感のなかったハリーにとうとう親友感が出てきたラストの共闘シーンはさすがに上がった。だからこそ、いやここで死なすんかいとがっかりである。ここで死なすならなおさら展開に責任持つ必要ないんだから、生かして、この2人の親愛なる隣人が町を守っていくエンドで良かったのではないか。
でも、脚本の時点では続編あるかも…だったのかなー…。ハリーの顔面を爆破したくせにピーターが親友面して軽口をたたいたのにはマジで腹が立った。やっぱりハリーは不遇をかこってきた歴史があるしみんなこの映画の良心くらいに思っていると思う。それを爆破て……鬼畜の所業である。
サンドマンを許している場合ではない。なんJを見て、サンドマンが最後に襲ってくる意味なさすぎるだろということに気づかされた(改心しているはず)。俺もたいがい映画を雰囲気で見ている。しかし、サンドマンを許してピーターがわだかまりを払拭するというのは、メイおばさんにベン叔父さんの死因を話せてなかった前回のくだりといい、一気通貫してテーマであったし、確かに3部作を貫く何かが終わった感はあってよかったと思う。
エディ・ブロックに関しては、この作品に関してはずっとクソ野郎ではあるので死んでしまっても特に心傷まなかった。といっても単に小物の嘘つきなだけなのだが、それだけで死んでよしになるのだから、物語を見ている観客に権力なんて持たせてはならないぜ。
俺の思いつく感想なんてすでに市場に放たれてしまっているので、そこからパクリにならないように俺は俺の考えを自分の表現で紡ぐだけだが、魂は結局それと双子なので別物というわけではない。
こういう意味の分からない文章を書くのは、推敲していないからだが、論文とか研究書とかこういうわけ分からん文章は少なからず出てくるので、多分奴らは推敲をしていない。
「3部作を貫く何か」というあいまいな表現について──。
要するに、ベンおじさんを見殺しにしてしまったというトラウマと私怨でピーターはスパイダーマンをやっていた部分があるわけで、それがサンドマンを赦すことで救われて、ここからただのヒーロースパイダーマンが誕生するということなんだよな。
しかし、只のヒーローになってしまったらそれはスパイダーマンの魂ではないわけで、となると脚本の時点でここで完結することが決まっていたようにも思えるが…しかし、1も2もここで終わっていいエンディングだったしな(そのせいで続編を作るにあたっていろいろと齟齬が生じている)。
もう我慢できないのでノーウェイホームを見に行く。