急に世界を憂う
伯父が小学生を殺したらしい。
といっても、他人の伯父がである。
また、北朝鮮では『イカゲーム』を違法輸入・視聴した咎で、1人が銃殺刑となり、残りは刑務所送りや更迭の憂き目にさらされたらしい。
これも他人の話ではある。
もちろん、中学生が同級生の腹を刺して殺害したニュースも知っている。
いじめが原因といった報道もされているが、真相はわからない。
こういう課題だらけの世界だということを、思い出してはすぐ忘れる。
なんか世界は完ぺきだし、特に俺がすることはないなと思っていたが、バカだ。
俺の世界はせいぜい数十人~百人で、たまに旅行に行ったって袖すりあうだけの過小な縁だ。
10年前くらいの日本人ロックバンドの空虚な「世界を変えたい」よりももっと、等身大な「世界はこれでいい」というそれだって、欺瞞だった。
はやくもっと、言葉で遊ばなくちゃ。
どうせ「本当」のことはできないのだから。
たまーに寄付をこそ俺の本義として人生を歩めばいいんじゃないかと思うが、俺は弱い。我欲に負けてしまう。
やっぱりキリスト教あたりに分厚く帰依するくらいでないと、なかなか個人では自分を強く保てない。
システムに組み込まれなければ、俺は善行を為せない。
すぐに悪いことばっかり考えて、自分を守りたがってしまう。
そうまでして安楽にいきたいのはなぜなんだろう。
そりゃそうだといつもここで考えを辞めていたが、実のところ背骨はない。
ただ、生まれながらに装着した人生の安全装置だけがかなり正確に作動し続けているのである。
こんなおためごかしの本音は本当にこのゴミ箱に捨ておくくらいしかやる方ないな。