気仙沼にて4
【前回のあらすじ】
嫁はんとシャークミュージアムに行った。
震災について思いをはせ、チキンナゲットを食べた。
まっすぐ帰るには忍びない。そこで珈琲屋によることにする。
最初は陸前高田でどっかないかなあと思っていたのだが、ない。
仕方がないので気仙沼で探す。
そこで見つけたのが小さめの純喫茶。
9時までやっとります。
1952年から営業しているというレトロな店内。
震災により一時は浸水し、店が営業できない状況に陥ったもののがれきから掘り出した珈琲セットを利用した店を始めることができるようになったのだという。
店主はおしゃべりで陽気で年を取っている。
俺は通常のブレンドコーヒーを、嫁はんはウインナ珈琲を頼む。
すると、「ウインナですか、ひっひっひ」と店主。
悪い予感がする。
しばらく本を読んで待っていると店主が再びやってきてくれた珈琲2つとおばあちゃんの家で出てくるタイプのチョコロールケーキを携えて。
サービスである。
嫁はんに「極太ウインナーが入ってますよひっひっひ」と店主。
俺は店内の冊子で知った店主の話に興味を抱いていた。
震災から掘り出されたというカタカナ表記のファンタの瓶や壊れたギター、扇風機などが展示されている店内。
貴重ですね~的な話。
しばらくいて、帰る。
嫁はんはああいう店員が話しかけてくるタイプの店は苦手である。
おまけに昭和下ネタを浴びせかけられたものだから不愉快になっていた。
俺はああいう陽気で変な人は好きだけど、まあそういう意見もあると思う。
性別の差もあるしな。
嫁はんがハマり切っているストーンズを聴いて帰る。
返ったら、「サメの心臓」と「真タラの子のにつけ」と「メカジキのはーもにか」と「タラの刺身」を食べるのだ。