クリスマスイブ
クリスマスイブ。
今まで行事を大切にせず生きてきた。
面倒くさいからである。
かなりの省エネで生きてきた。
特に浮き立つようなイベントも嫁はんと付き合うまではなかった。
モテない友だちと鍋とかはしたけれども、別に休みだからであってクリスマスが絡んではいない。
なんなんだクリスマスと思っていた。
でも、せっかく家にいるんだから、ほぼ主夫なんだからしっかりやって生きた
実家の母もほとんどイベントごとやエンジョイするような何かを始めたりはしないタイプ。
冬は一応家の扉の横のガラス窓に貼るタイプの百均の飾りを貼っていた。
あと、リースも趣味で作っていた。
あんなの、結局なんになるんだろうと思っていたんだけど意味があるんだ。
人間は行事や文明によって人間の形を保っている。
多分文明が一夜にして目の前から消えたら、今理性を保って生きている我々も徐々に野生の猿に近づいていくのではないか。
環境が人間をつくる。
嫁はんが帰ってくる前にケーキを買おうと思ったんだけど、つい忘れて帰ってしまった。
嫁はんが「ケーキが欲しいよう」というので、19:00閉店のケーキ屋に18:50に飛び込む。
店内は混んでいた。
1800円分のケーキを買って家に帰る。
そうして、かつて購入したすき焼き肉ですき焼きを作る。
最初に肉を焼く関西流。
俺は関西出身なので試みるのだが、割り下がめちゃくちゃ焦げてしまう。
もうだめだーと思って肉を煮ることにして、嫁はんと軽くもめる。
このまま涙のクリスマスか──と思ったが何とか持ち直し、VS嵐の最終回を見ながら最初から煮たすき焼きを食べた。
クリスマスイブ。