蛮勇と過信と臆病と無知と知恵と判断力と車酔い
田舎で目覚める。
枕が見つからないので、掛け布団を枕にして寝ていた。
でもぶ厚い毛布を使っているので大丈夫だ。
嫁はんがトーストとベーコンと目玉焼きとトマトを用意してくれた。
ありがたくいただく。
まるで仕事をしていない。
嫁はんは仕事にいく。
スクーで「起業は怖くない」的なタイトルの動画を見る。そうはいっても物事には両面があるわけで怖いだろ、と思うが、俺という人間の家計のバランスシートを考えるにあたって事業を起こすとか人を雇うとかいう判断を完全に排除してしまっているのは「臆病と無知」由来以外にないよなあとは思う。
でも、蛮勇と過信に比べたら臆病と無知の方がいくらかましだ。
智慧と判断力を磨かねばならぬ。
そうこうするうちに嫁はんが帰ってくる。
嫁はんは最近購入したSwitchでどうぶつの森をせっせと開拓している。
それを横目にまだ残っていた動画を見たり、こだま「ここは、おしまいの地」を読んだりする。
さくらももこのエッセイほど面白くはないが、その代わりに不幸さとそれをフラットに見る著者の低体温な目線は独特だなと思う。
昼からは車を運転して、カフェに向かう。
途中、完全に道が雪に埋まってしまったボコボコ道を進んだ。
嫁はんは車酔いして、「ブエェ」と丸めた舌をのぞかせる。
辛そうである。
しかし、カフェはおしゃれで料理もうまかった。
その後、図書館へ。
本を少し読んで、俺は盛岡へ。
嫁はんは田舎町へ。
嫁はんのダメージは思ったより甚大だったようで、家に帰ってからも胃が手で握られているようにつらかったらしい。