「そういうところもないわけじゃないよね」
「そういうところもないわけじゃないよね」
「死にたいよねー」
こういう風に、嫁はんは途中から話しかけてくることがよくある。
突如文脈をぶった切って話題が目の前に現出するので、以前からそのたびに面食らっていたのだが、嫁はんいわく「脳内では会話が成立している」らしい。
嫁はんは脳内で議題Aや議題Bを携えており、俺が車を運転している間など、それを取り出しては俎上に挙げ、議論が高まったところでパスしてくるのだ。
あたしンちでもそういう話があった気がする。
案外あるあるなのだろうか?
嫁はんのiPhoneの画面がガビガビになった。
落として液晶が動作不良を起こしたのだ。直すためにiPhone修理ショップへ。
店のお兄さんは真っ黒な男ネイルをしていた。その横には即席のネイルショップが。
多分そこでやってもらったんだろうなーと思う。
そういう商売人の交流がほほえましい。
待っている間、何か食べようということでたこ焼き屋へ、
だし醤油に大盛りのネギをトッピングして三ツ矢サイダーを注文する。
簡素なテーブルと椅子に腰を落ち着けてハフハフ。
「お祭り気分だね」というと、・・・。
嫁はんは子供のころ、友達とお祭りに行くことを禁じられていたらしい。
家族と祭りに行って彼氏と来ている同級生などを見て臍をかんだという。
「ちくしょー石をぶつけてやれ!」と俺。
嫁はんの三ツ矢サイダーを奪い取り、ゴクリ。
口がやけどしそうにあつかったのだ。
少し前からベロの根本が痛い。たぶん噛んでしまったんだと思う。
でも、少しだけこういう時「舌癌じゃないか」とビビる。
夜ご飯は寿司を食べたが、緑茶を入れるために急須にお湯を注いだらどんどん机がお湯びたしになっていく。
あれあれなんだどうなってんだ、俺の距離感覚がバグったのか?と思ったら、急須に穴があいていた。
しょうがないので麦茶をのんだ。