アスファルトに草は生えない
嫁はんはしばかりに、俺は家で洗濯に。
原題において芝刈りの負担は膨らむばかりだが、洗濯には革命が起きた。
ドラム式洗濯機で3時間もあればきれいに洗われた衣服が飛び出してくる。
思えば、衣服を洗うというのは非常に文明的な行為である。
衣服というのがそもそも真っ裸で生まれる人間の知恵の象徴のようなしろものだ。それをすすぎ、たたき、ケミカルな洗剤を絡め、さらには乾かすのだから。
しばかりだって自然への反抗という意味ではかなり文明的なのだけれど、どうにも草を取り除くという時点で原始的な感が否めない。
だって、アスファルトに草は生えないのだから。
ああ、そうか、しばかりなんてほとんどしたことがないや。
洗濯がインフルエンザだとすればしばかりは日本脳炎。
殆ど撲滅されたんだな。
というわけでぺんぺん草すら生えないアスファルトを闊歩し、今日もおうちと大通りを二往復。原稿は終わる終わると思っていたら終わった。
取材は準備にやや時間がかかるが書いてみれば、それほど時間はかからない。生の素材が手元にあるわけだかららくちんなのだ。
夜は、『ガンズ・アキンボ』をみた。
匂いたつ洋ゲー感と向こうのオタクの妄想感。ハードルが下がる部分にはきちんと雑に、期待する部分には十分すぎるほど答えたサービス精神満点の映画だった。こういうお客様扱いして愛撫してくれる映画にはどうしたって評価が甘くなる。
殺し合いのゲームが普通に包装されていてそれをみんなが楽しんでいる、という設定からして警察同してんのかいとか(作中に「警察を掌握していると匂わせるようなセリフ」と「警察にビビって逃げる運営側」と両方の描写がある。最終的な結論を見るとやっぱりスキムズ警察以上の巨大組織ということになると思うんだけどよくわからん。まあ、賭郎みたいなもんなんかもな)、ニーガンのこれまでの相手はマイルズより弱かったんかいとか突っ込みだしたらきりがないんだけど、まあ両手に拳銃が縫い付けられた男のデスゲームの話って時点でそこに突っ込む方が野暮である。
グルんグルん回したり、ピントはそのままにぐっとよったりするカメラワークはちょっと酔いそうになるけど外すところがなく的確だった。どうやってウランを当てているのかなと思う。
ラドクリフに体術があるわけではないので、アクションシーンを飽きさせないための工夫が随所にあった。ちょっとマイルズの獣が強すぎるので、そのあたり何らかの理由付けをしてくれたらよかったかなと思う。
あと、主人公の職場の友達が殺されたのが何気に一番ショックだった。いいやつだったのに……!
舌をかんだせいでじくじくと傷んでつらい。