夏の解体
なんだか暑かった。
ほんかくてきになつがやってきた。きやがった。
冬の時期は夏はなんだか天国めいたイメージだったけれど、夏になってみるとただただ熱く、電気代が必要となり、辛く苦しい。
重い荷物を抱えて街を歩き、家に帰るとぐったりだ。
カラオケで歌の練習をして家に帰ると、嫁はんが机の整理をしていた。
朝から職場に行っていたのだけれど、いったん帰ってやることにしたらしい。
仕事からの現実逃避だという。
しかし、仕事だけが現実ではない。いや仕事とはむしろ幻想に近い。
社会的なことだからだ。
社会は幻想だ。
肉体、いや、肉体がある、という知覚のみが現実なのだ。
私たちは知覚を充実させるために生きているのだ。
という思想でヒッピー文化はドライブされていた気がしてならない。
※よくしらないのだ。
嫁はんはたまったポポロや明星を裁断し、Sixtonesに関する部分だけをファイリングしていく。
お気に入りでファイルを埋め尽くすのは、五感の充実において重要なことだ。
「よきことですね」と俺はいい(本当は言っていないし思ってもいない)、祭壇を手伝う。
栓抜きを使ってホッチキスを引っぺがす。
ギチギチ、ペキン。
ポポロのホッチキスはそれなりにしっかりしており、AERAは弱く小さい。そして、明星は糊付けされているタイプだ。
ギチギチ、ペキン。
ギチギチ、ペキン。
都合6冊ほどを解体し、嫁はんがそのうちお気に入りの部位だけを切り取る。
残った臓物はごみ箱で処理する。
腹が減ったというのでまず冷凍のフライドポテトを作り、それを供したのち、買い物へ。
ステーキ肉が安かったので購入し、もやしといため、皿にパプリカ、韓国かぼちゃ、ズッキーニ、アボカドを生のまま設置する。
そして、バーニャカウダあるいはブルーチーズソースとともに食べる。
夜はとある吹奏楽部のサマーコンサートを見に行こうかと思っていたのだが、やめた。
2時間半もあったからだ。