ない。
先日無視した先輩から再度連絡がきた。
会社を辞めたらしい。
俺は、「無視が『無視』と受け取られていなくてよかった」と虫のいいため息を漏らした。
世の中の人間、自分以外の人間は現状維持に甘んじて自我も変化もないようについ錯覚してしまうが、全員がひとつの宇宙を持ち、それぞれの意志のもとであたらな自分に進化し続けている。
気持ち悪ぃ。
しかし、それを認めなくちゃダメなんだ。
この世界は俺の脳内にだけ存在する箱庭ではない。
尊重に値する人間が75億そんざいし、2050年には96億に達する。
その中には日本語しか満足に扱えない俺とは意思疎通の取れない経済の流れがあり、技術を持たない俺では修復できない装置を加工する仕組みがあり、それに参加している有象無象がいる。
有象無象とあしざまに言った。
俺の無意識の醜い世界感をあえて言葉にしなければならないからだ。
俺は文明に参加できていない。
文明を利用しているだけである。
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という意識で持って社会に参加したいものだ。
文明と国家とサービスを利用してその対価を支払う腹積もりはある。
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ない。
できるよとできっこないの衝突が8分を刻む我がタイピング