映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』ネタバレ感想 普通だが、ちょっと酷評
原作未視聴。
思い出話と現在の話が交互に繰り返すが、それぞれのエピソードが細切れで、とくに全体を貫く骨子がないのでお話はつまらない。
ただ、そのほかのギャル描写とか、女優づかいとかで大根監督は見せるタイプなので、そこは成功している。
結果として普通にまあ、おもしろい。
でも何も残らないし、普通。
みたいな映画になった。ナナがいなくなった事情を一切説明しないのがこの映画の謎であり特徴だと思うんだけど、なんでそんなことをしたのか。
人生の事情を物語的解釈で回収することへの反発なのだろうか。
まあ、この映画に限っては本家がそうだったからというのが直接の理由になるんだろうけど(と推察するけど)。
観客からすると唯一のクリフハンガーが最終的にどこにもつながっていなくて、さんざん粘って引き上げた釣り針の先には「何にもなかった」的な空虚さが付きまとう。
最後に踊られたって、なあ、、。ディティールを見せるための贅肉がたっぷりついているので、やっぱり普通にそこは上手くそぎ落として、要素はさりげなく並べつつ、ドラッグ問題とか、恋とか、ダンス大会とか一つくらい焦点を絞った方がよかったように思うけど。
ていうか、連続ドラマ向きの題材なんだよな。
嫁はんがプロデューサーの名前を調べて「川村元気かよ……」と言っていた。
何かうらみでもあるのか。
その観点で言うと、ちょうど90sにJKだった層が、2018年に結婚して子育ても落ち着き、女同士でさて映画を見に行こうというときにこういう映画が受けるという見立ては正しいと思える。
でも、興行収入的には爆死したらしい。
がちがちにマーケティングで予測を立ててもその通りに行かないというのがこの世界の面白いところだザマミロ!
(俺も川村元気に恨みはないよ)
女優が生き生きしていたのは間違いないし、シスターフッドの風潮も盛り上がった今ならもうちょっと受ける気がする。
(という目論見も朝の占いくらいの信ぴょう性くらいしかない)