20201128_俺は猗窩座
嫁はんは憂鬱──夜勤があるからである。
夜勤があるとその日一日そのことばかり考えてしまって結局昼間もあんまり楽しめない問題。
あると思います!
というか何ならその前日くらいから憂鬱なのだ。
俺も学生時代にコンサートの設営の夜勤バイトをしていたことがある。
その時はとにかく、夜「最低のコンディション」で臨むことをモチベーションに昼、過ごしていた。
どうせ責任感も何もないバイトであり、頭を使わない肉体労働だから昼間は楽しみ切って夜脳死状態で稼働できるようにすることを自らに課すというライフハックであった。
しかし、このメソッドはそれなりに責任がともなう仕事ではつかえない。
というより、“遣い手”の資質によるといった方が正確だろう。
俺は仕事なんか或いはその先にある社会なんかできればぶっ壊したいと思っているのでこういうことが平気でできるのだ。
一方嫁はんは人あるいは仲間の役に立ちたいと思っている。
さらに、手を抜くことでプライドが傷つくという。
できる人間になりたいという思いがある。
だから苦しむ。
俺は猗窩座(鬼滅の刃)が煉獄に「なぜ人間であることに固執する……?」と問いかけたように嫁はんに「なぜ仕事・人間をそこまで愛する??? 皆壊してしまえばよいではないか」と問いかけるのだが、「そうはいっても性分がゆるさないらしい」。
ならば、俺は朝日を逃れてPCに向かうのみである。
せめてもの、ということでお昼は盛岡のカフェに行ってみた。
一茶房という、一回が芸術家のアトリエで二回がカフェ、建物は古民家という作りの本格派なやつ。
俺は社会が嫌いと言いながら、このような豊かな社会が生み出した「花」の汁を毎日にすすって生きることしかできない。
ギギギ・・・・。