どらっぎー
嫁はんが友だちとWeb飲み会。
マーダーミステリーをやったらしい。
張り切ってセブンイレブンで日本酒やキムチ、ポテチなどつまみを買い込み、一番搾りにスミノフといった嗜好品をぐいぐい構内に放り込む。
ベッドの部屋で楽しむので俺は家にいてよいといわれた。
だから俺は自分の部屋で曲を作ったり漫画を描いたりブログを書いたり写真をアップロードしたりしていたというわけだ。
楽しいね。
と、そこにできあがった嫁はんがやってきて、「おい!こっちこい」という。
俺は嫁はんの友だちのバルバロイたちの中に放り込まれる。
無効は俺の存在をよく聞いているし、俺も向こうん話をたびたび聞かされている。
嫁はんは決して友達が多い方じゃない。
だからこそ、友人が大好きなのだ。
といいつつ、俺なんて友だち超少ないのに人間大嫌いなんだけど。
閑話休題。
嫁はんのばるばろいたちはすっかりできあがっており、そして学生時代から野蛮な酒の飲み方に親しんでいるときている。
俺は酒が飲めない。
代わりにレモン湯を飲む。
無効は目ざとくそれを発見し、「君が一杯飲むごとに同じ量の酒を飲むから一緒に飲もうぜ!」というが、へらへらして乗り切る。
嫁はんが「おい!ギターを弾け」というのでギターを持ってきてひく。
毎日練習しているのだが、人前ではやっていないので緊張してかなり失敗した。
千本桜のアコースティックバージョンを引いたのだが、嫁はんは「おい!こんなオタクみたいな曲ひいてんじゃねえよ!誰も知らないよ!」と自分の方がよっぽどオタクのクセに言う。
そして、ギターを弾き終わると部屋に帰って行ってしまった。
俺は初対面のバルバロイたちとせっするとき”変な感じ”だったらしい。まあ、人見知りということかな。
俺のおやじが俺の友だちと接する時も“変な感じ”だなーと思うので、それが世代を超えて現出していたということだと思う。
血は争えない。
恐ろしい。
「そうはいうけど、君もかなり変な感じだったぞ」と指摘すると嫁はんは「うう」と布団を頭からかぶり眠った。
夜に起きてきた嫁はんは「死にたい」という。
酒を飲むと気持ちが高揚して、そしてそのあと、ずんと気分が沈んで死にたくなるらしい。
どらっぎーな話だ。
俺は冷えたレモン湯を飲み干して、バルバロイと原住民の違いについて考えていた。