嫁はんの曲がった眼鏡を直しに行こう
日曜日、嫁はんの帰宅とともに目覚める。
職場でほめられたと上機嫌の嫁はん・
「そいつはすごい、いっぱしになったねえ」と俺がほめそやすと、「いっぱしいっぱし!」といって踊る。それが面白くて狂った猿のように笑ってしまう。
哄笑を終えて、布団から這い出す。
飯を食いに行こう。
そして、嫁はんの曲がった眼鏡を直しに行こう。
ということで、イオンに足を運ぶ。
本当は車に運んでもらっただけなんだけど、それをこういう風にさも自力で動いたかのように書いているのだ。
人間はズルい。
イオンで眼鏡をが直されるのを待つ間、嫁はんが俺の姿を見て「みっともないねえ」と顔をしかめる。俺はいつだって(会社で働いていたときだって)寝ぐせはつきっぱなし、シャツはよれよれ、おまけにセーターは毛玉だらけときている。
小言はジェノベーゼを食べている間も続く。
俺はこうまで俺がずぼらなのは教育が、そして両親が悪いと強固に主張した。
しかし、議論を重ねるうちに、母親も俺のあまりのだらしなさにさじを投げたという過去が明らかになってきた。
「そんな男と良く結婚したねえ」と嫁班に話しかけると「まったくだよ」とあきれて返される。
そんな俺と嫁班が結婚した理由は、「都合のいい男」だったからだそうだ。
夜はR-1グランプリ2021を見た。
ゆりやんがあきらかにオモシロくて、その勢いのままに優勝したと思う。
R-1は大体つまらんなあと月並みな感想を抱くのだが、ゆりやんには唸らされた。
みんなは段取りの悪さや審査員コメントのカットに怒っている。
しかしそういった部分はショーレースの「レース」部分なわけで、本当にキミらはraceが好きだなあと思う。
かくいう俺もレースに品評が大好きなのだが。
人間はズルい。