裸で独りぼっち

マジの日記

ムラサキ

今はすこしあたまが痛い。

気圧が変化する季節。

藤原季節。

 

日曜日だというのに嫁はんは少し仕事。

頑張ってくれと思いながら家でギターから、一日を始める。

俺の中でギターを弾いていいラインが一応9時からで、それ以前と19時以降は控えるべきという判断なんだけど、これってマナー的にどうなんだろう?

そもそもマンションで楽器演奏も意見が分かれるところだと思う。

そうなると、完全にマナーを守ろうと思えば一軒家じゃないと話にならないよなあと思うし、音楽は金のかかる趣味だと思う。

音楽を楽しんで2拾余年生きてきたけど、ときおり俺は何にも音楽なんか楽しんでいなくて、只慣習で移動中や暇な時間に音を耳に流しているだけなんじゃないか? と思うときがある。

 

せっせと昔の大森靖子のイラストを描いていると、嫁はんが上機嫌で帰ってくる。

二人で散歩に出ることにする。

二人で散歩に出ると、当然音楽の出る幕はない。

そのぶん道端の草花に目が行く。

街路に蘭と思しき花が咲いていて、市がこんなもの植えたのか? と疑う。

この町全部誰がか作って、維持して、メンテナンスしているのだ。

そんなことに俺が気付いたのはつい最近で、それまではなんか俺が生まれた瞬間に世界は今の形で完成しているような気がしていた。

「世界を変えたい」なんて絵空事で、世界は常に不定形なのだ。

なのに俺はその極小しか観察できず、観察できず、死んでいく。

なんかむなしい感じがするけど、まあ幸せだからこれでいいんだ。

ピニャコラーダのおかわりを持ってきてくれ、というと赤い蝶ネクタイが印象的なボーイは左目でウインクをして空のグラスをお盆に乗せた。遠ざかる背中を見送って、南国の海に目を向ける。

朝とも夕ともつかない時間のエクアドルの空は、やはり、真っ青とも真っ赤ともつかない。

その、ちょうど間なのだろう。