ビッグフットと浴衣を買いに
嫁はんは浴衣を買った。
俺は全身緑色で、サイズの合わない服を着て、紙はぼさぼさで、やせておらず、骨格が意外とでかい。
ファッションの対岸にいるビッグフットみたいなものだ。
嫁はんはビッグフットと結婚した女ではあるが、同時にファッショニスタでもある。
大学時代は原宿で買った鞄を背負い、カラフルな服装で学校を練り歩いていたという。
そんな二人が駅ビルのファッションフロアに降り立った。
といっても、最初から夏服を手に入れようと意気込んでいたわけではない。
嫁はんはスマホを落とし、液晶が割れてしまったのだ。
修理に持ち込むと、50分ほど待ってほしいといわれた。
店内を嫁藩と練り歩き、暇つぶしをするその過程で見つけてしまったのだ。
水玉模様に花があしらわれた明るい色合いの浴衣を。
こいつはいいなと眺めていると、着物で妙齢の女性店員から声をかけられる。
そして、嫁はんはとりあえず試着することに。
今は「へこ帯」を大人が身に着けるのが流行っているらしい。
値段は30%OFFで1万5,000円。
クレジットカードで決済する。
iPhone修理で1万2,000円、駐車場代500円。
いったん家に向かうが、かえってどうしようかと迷う。
嫁はんが寿司を食べたいといったので、まわらない寿司からテイクアウト。
特上3,300円、上が・・・・。
今日も地球はお金で回るよ みんなお金を追いかけてるからさ
(BIGMAMA『Lovescape』)