裸で独りぼっち

マジの日記

映画『イン・ザ・ハイツ』ネタバレ感想

昨日は『イン・ザ・ハイツ』を見た。

イン・ザ・ハイツ

南米ミュージカル。ディズニー感がすごい。
ワーナーなんやけど。
歌って踊って大勢が夢を追っていて、最終的に無理やりハッピーエンドというのがね。90sディズニーでまさにこんな感じを味わった気がする。美容院のおばちゃんの下ネタ当たりがそこにはないうまさかな。
とにかくクレイジーリッチが好きなので、かなり期待はしていた。そして、その期待は裏切られなかった。それがうれしいじゃないか。
良質な音楽と上手な歌とダイナミックなミュージカル。アニメーションを追加してみたり、正面を入れ替えたりといった工夫もえぐい。ちゃんと金と時間かけて、大規模映画産業にしか作れないものを作ってる。
世が世ならグレイテストショーマンくらい世間に受けていただろうに、コロナがマジで悔やまれる。
文句を言うとすればラストの展開はややディズニー過ぎるというか。あの風景が妄想というのもちょっとズルすぎないか。言ったらこれは最後にドミニカに言ってしまう切なさ込みの、100日後にドミニカに行くウスナビだったのである。なのに、●●と同じく、最終日に裏切られた。残って夢を追ったからハッピーエンドみたいに言うけど、お前の夢はドミニカでルーツを探って祖先の家を再建することじゃなかったのか。
バネッサは結局立派な服飾デザイナーに慣れたのか。
そのあたり、ディズニーで子供向けなら無視していいけど、大人向けならもうちょっとテーマについてしっかり寄り添わないとちょっと納得いかないぞと俺は思う。
とはいえ、曲はすごくよかったし見てよかった。

 最近もう、映画を見てこのくらい俺にも作れると思うことがなくなった。

知識がついた。

俺にも、というかだれにもだ。

一人の才能でできることには限界があることが分かった。

「人間は仲間と協力することでものすごいパワーが出せるんだ!」とジャンプ漫画の主人公がよく言うイメージがあるが、それは確かだ。

しかし、それは絶望でもある。

仲間と協力しなければできない凄いことばかりのこの世界。ハリウッドの大作映画だって、駅前のビルだって、俺がテキスト情報を打ち込んでいるPCだって、人間社会の協力なくして生まれなかったろう。

それはつまり、めんどくさいよしなしごとが絶対に大きなことを成し遂げるためには避けられえないことを意味している。

人間が集まれば、揉める。

揉めないためのテクニックを人は実用書などで学ぶが、そんなもんは焼け石に水程度の効果しかないと俺は思っている。

人は理不尽に争うし、自分がかわいい。

でも、そんな人が協力しなければものスゲーことは達成できないのだ。

もちろん新海誠がひとりでほしのこえを作ったりとか、一人でできる範囲も広がって入るけど、その評価はやっぱり「一人でこれはすごい!」から始まるでしょう。

そして、「もっと」を求めれば、仲間と協力することは避けられないでしょう。

これは人間賛歌でもあるが、社会参加でもあり、そのどちらも好きでない俺には受け入れがたいが、それでもその価値は否定できない。

それがわかっただけでも今は僥倖とする。

インザハイツ!