嫌いな先輩を無視してやる
嫌いな先輩を無視している。
本当は「嫌い(というか恩義もあるし確実に俺よりもいい人だとは思うんだけどそもそも人間が嫌いな俺にしてみれば話しかけられること自体がうざいし、なんか考えも深く聞けばそんなことないんだろうがおじさん臭く見えてうざったい)先輩を無視(とは言い切れないくらいの返答はしつつも、自分のビビりな精神が許すくらいの規模で愛想よい返答を減らしてこちらに話しかける頻度を減らすためのこころみを)している。
おそらく、俺は悪人なのだ。
他人に対しては気持ちよく利用させてくれよと思っているし、心のつながりとか情とか義理とか損得は抜きにして縁を大事にしたいみたいな心がない。そうある方が正義なのではないかと思い、なるべくそれに合わそうとしているが、やっぱりつらい。
かといって、自分の思ったことをそのまま言って、ワガママをして、人を傷つけた(かもしれない)事実は、年月が経っても消えない。
いや、ほんとは結構消えているんだろうけども、少しだけ残ったそれがなんとも俺がおてんとうさまの下を大手を振って歩くのを居心地悪くさせる。
いい人のまま、心のままに行きたいが、それはかなわない。
悪人ですもの。
なんて言いつつ、本当の己をさらすのは怖いけど、自分の都合は知ってほしいというハリネズミのジレンマをまた令和になって引きずっているだけなんだろうな。
嫌われたってかまいやしないという青空のような心で生きたいが、本当は嫌われるのが怖いのだ。
こうして知り合いが誰も見ないところに愚痴を書きつねるのはこころのアスピリン。
でも少し、あいつが読んだらどう思うだろうとその顔面を思い浮かべたりもするのだ。