人類はすごい
歯にほうれん草が詰まっている。
結局一日の行動は楽しいことと、金稼ぐことと、生活のことに分かれる。
俺は一つ目ばっかりやっており、2は少し、3も少しだ。
主夫なのだから3の割合がもっとでかくないといかん気もするが、まあ面倒だし、俺個人の満足できる生活水準はちょうど大学入りたての男子大学生のそれとおんなじだ。
うん、これではいけない。
もっと潔癖症で、生活を愛していて、「奥さん」でなくちゃ。
とは思えど、そういったことを強制することを好まない「嫁はん」の性質に甘える形で、ここまで男子大学生であり続けてきている。
まあ、「育児」が始まればだいぶ「生活」の割合も高まってくると思うのだが、
俺は「育児」の始まりを恐れている。
変わるのが面倒なのだ。
そして、変わって、何か取り返しがつかなくなったらと思うと恐ろしいのだ。
なんと憶病なんだろう。
「別にいつ死んでもいいさ」
「金がなくなったらのたれじんでやらあ」
などとうそぶきながら、生活に一匹自分の遺伝子の片割れが闖入することすらものぐさがっている。
きっとやってきさえすればのど元過ぎて熱さ忘れると思うのだが。
そんな台風みたいに、あるいは垢太郎みたいに赤ちゃんはやってきてはくれない。
まじでメイクラブだぜ。
メイクラブしまくって増えまくってきた人類はすごいぜ。
エイリアンと戦うリプリーくらいすごいぜ。