裸で独りぼっち

マジの日記

映画『ウエストサイドストーリー』ネタバレ感想…酷評

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ウエスト・サイド・ストーリー

全然よくなかった。
リメイク前を見ていないのに言うのもなんだけど、そもそもの話からして耐用年数を過ぎているのだと思う。
ていうか、『ロミオとジュリエット』は強固な家制度とか中世の人の命の軽さとかが前提にあるからこその悲劇であって、それを不良の話に置き換えても自業自得やないか感が強すぎることがわかった。
移民問題とかホモ・ソーシャルの問題とか絡めてはいるけど、そんなんで元の話のほころびはごまかされないぞ。

またミュージカルの演出としても昔のままというか、「これはディズニーやなあ」という感じ。急に歌いだして周りの人間がびっくりしたり黙れと言ったりする描写があるのに、その後も普通にミュージカル展開は進んでいて、この世界で「歌う」ということの位置づけがわからない。それなら、そんな描写は入れなければいいのだ。
この前『シカゴ』を見たばっかりなので、ミュージカル表現も進化してきたのだなあと思うし、どうせリメイクするならそこを改善しろよと思う。

リフとベルナルドの死体が転がるショットからデパートでの華やかなシーンとか、アニタがレイプされそうになるところとかの怖さにはスピルバーグ節を感じた。老いてもなお、無機質な暴力

まあ、はずみで悪いことをしたらあかんよというメッセージは嫌というほど伝わったなあ。

これがアカデミー賞候補はないと思うが。

ヒガシもこんなん絶賛すな!

 

ある程度中身がわかっていて、面白そうなものしか身に行かない。

というのは俺だっておんなじだ。

はっきりいってこれは外れなしだと思ったんだけど。

まあ、はずれではなかった。

そういう意味で投資自体は成功しているんだけど、でも、もっと高め狙えたでしょう。

1400円くらいの価値の映画を1000円で見た。

1800円だったら大ショックを受けていたところだぜ。

 

やっぱり元の話自体に欠陥があるよなあと思うし、リメイク前を見てさらに批評も押さえたいところだ。

さて、今映画館で予告が来ている『シラノ』。

これも同じようなシェイクスピアのガワを借りた“濡れた”ポップコーン映画(※)になりそうだなあ。

 

※…一時の大衆娯楽として制作されているが、一見深みや感動があるように喧伝されているので口に入れるとヌチャと不快な感覚が広がるポップコーン映画のこと。今考えた。