裸で独りぼっち

マジの日記

ハルキ、少しはわかってきたぞ

人生の可能性は自分で閉じて、狭めていくものだ。

そうでなければ、どこへも進むことができないからだ。

 

俺はずっと村上春樹のことをよくわからないから嫌いだと思っていたが、そのわからなさは、この日記のたまにわからないことを書いてみようというときのわからなさと近しいということに気づいた。

普通ならここで、<まあ、僕の方がずっと低質ですが>的なエクスキューズをつけるのだが、それって謙虚な姿勢を見せて攻撃されることを事前に回避する処世術と、自分はすごいものを作ることはできないが、すごいものとそうでないものを弁別するだけの価値判断能力はあると言外に示す処世術のあいのこでしかないので、しない。

とはいえ、『風の歌を聴け』を途中まで読んだだけである。

 

数年前に読んだ覚えはあるが、今の方がよくわかる。

単にこの若い村上春樹は飽き性で、何か新しいことがしたいけれどそれがレコードを細切れにカットして、次々にキーやBPMなども考慮に入れず繋いでいくような、アヴァンギャルド(なだけ)なやり方しか思いつかないし、それ以上のものなんて「ない」ということなのだ。

 

昨日は役所で転入の手続きをした日でもあった。

俺は住所という情報を色々なところで利用していて、それはとても管理しきれない。

それをスムースにする取り組みがマイナンバーなのだが、そんなこと、2015年時点では一つも理解していなかったよ。

世界の形がわかれば、春樹だって少しはわかる。

ふん。

 

風の歌を聴け (講談社文庫)