鮭のルイベは頼まない
嫁はんの誕生日だったが、昼は海老ラーメンを食べてゲエゲエ吐いた。
俺はラーメン食ったら吐いちゃうんだ。
もう内臓はボロボロで、タバコも酒もやらずに28歳まで生きてきた意味はなかったよ。
まあ、それらが好きじゃなかったからやらなかっただけで我慢していたわけではない。
毒を好まないのが俺の才能。
となると、このゲエゲエも毒を取り込まないために身体の自浄作用なのかもしれぬ…ウエ。
嫁はんは髪を切って、プリンを染め直す。
1時間デパートのトイレで俺が吐いたことは言わないでおこう。
だって、今日は誕生日なのだから。
「自転車を止めて、コーヒーフェアでいっぱい注文しようかね」と考えたものの、そこにあるのは長蛇の列で、俺はそれに耐えきるほどのコーヒー愛を持たない。
だから、モダナイゼーション。
少し歩いてファッションビルの地下のカフェに入る。
注文するはホットコーヒーラテ。
嫁はんは何やら買い物があるので後から合流するらしい。
俺はそこで本を読んで、絵を描いて、仕事はしないで、待つ。
返ってきた嫁はんはフリーダ・カーロ(メキシコの画家)の本を読んで、いちごのティーを飲む。
二人は、北海道店へ行く。
鮭のルイベはアンテナショップでいつでも帰るので、イカ飯やら、タコのザンギやら、つぶ貝のラー油つけやら、たこたまごやらを購入して、で、アンテナショップでガラナも買って、目指すは家。
嫁はんは友達と旧交を温める。
俺は横でそれを見ている。
22字には眠くなって、布団にくるまった。